キャノンダンサー


キャノンダンサー Osman
https://store-jp.nintendo.com/list/software/70010000060232.html


Switch版の『キャノンダンサー』をプレイしました。

1996年リリースのアーケードゲームの移植。
ストライダー飛竜を作った方が制作に関わっていて、
最近の言葉を使うと、飛竜のいわば「精神的続編」のような内容であり、
高いクオリティのグラフィックとサウンド、そして独特の世界観を持っていながら、
当時は一切コンシューマに移植されていなかったので、
レトロゲーマーの間では移植が待望されていた一作!
……という認識で合ってるかな。


最近のレトロゲー移植ブーム(?)の流れに乗ってついに初移植、
SwitchとPS4で今年の4月に発売され、私の手元でも遊べるようになりました。

海外版も入ってるとはいえ実質全6面のアクションゲーム1本だけで
4000円以上するのは昨今の感覚だと正直ちょっと割高感があるのですが、
今だと値引きのないDL版よりもむしろパッケージ版の通常版の方が
安く手に入るようでしたので、パッケージ版の方を買いました。


スペシャル版はアートブックとかが付いてるらしいですが、
私の買った通常版の中身はカートリッジとマニュアルの紙のみ。
「マニュアルの紙」というのは本当にペラ紙一枚で、
簡単な操作方法だけ書いてある簡素なものですが、
最近のゲームはだいたいそんな感じなのかな。
当然のように「説明書」が付属していた時代はもはや遠い。



その組織名と同名の神を崇める思想テロ集団『スレイヴァー』。
戦闘集団『狄(てき)』の戦士である麒麟は、
連邦法務長官ジャック・レイゾンからの依頼を受け、
スレイヴァーに占拠された都市を解放するための戦いに臨む。

しかし、それは始まりに過ぎなかった。

ジャック・レイゾンの思惑。
麒麟をライバル視する狄の戦士たち。
激しい戦いを経て、麒麟は「神」であるスレイヴァーと対峙する。


……というようなストーリー。


ゲーム内容は最初に書いた通り、『ストライダー飛竜』に近いシステムの、
全6ステージの2Dアクション。

操作は方向ボタン(レバー)での移動と、
3つのボタンでジャンプ、攻撃、そして必殺技「麒麟星祭り」が使えます。

下+ジャンプでスライデングしたり、空中やスライディング中に
敵の近くでジャンプボタンを押すと投げ技が発動したりと、
少ないボタンで多彩なアクションが可能。


壁や天井に触れるときにその方向に入力しているとつかまることができ、
そのまま地形に沿って移動できます。この辺は飛竜と同じ。
攻撃は連射が効いて間断なくビシバシ攻撃できるのも飛竜ゆずりですが、
立ち攻撃中は移動速度が落ちるのが飛竜と違うところ。


必殺技はワンボタンで出て発動中無敵のいわゆるボム的な性能ですが、
威力がバカ高くて、まともに当てればボスでも数発で瞬殺可能。
その代わり補充手段がなく、使用回数は1機につき3回で固定です。


他に特徴的なシステムが、アイテムによるパワーアップの「分身」。
アイテムを取ると、攻撃の際に麒麟の位置に分身が現れて一緒に攻撃します。

分身は攻撃を続ける限り一定時間その場にとどまるため、
敵に近づいて分身を「置き」、自分は逃げつつ分身に攻撃させるのが
ゲーム全体を通して重要な戦術になります。

アイテムを取るたびにパワーアップして分身は最大4つまで増えますが、
逆にダメージを受けるとパワーダウンで分身も減ります。



一通りプレイしましたので感想。

攻撃連打で敵をビシバシ蹴りまくる感触が気持ちよく、
ストライダー的な壁や天井の移動よりもむしろこっちの方が
本作の楽しさのメインのように感じましたね。
方向入力を併用すると通常攻撃が強力になる技「刻み舞い」も駆使すれば
敵のライフゲージがぐんぐん減って爽快。


操作感も慣れると軽快で、スライディングやそこからのダッシュ移行、
敵とすれ違いざまの投げ技なども駆使してパターンを作れば、
多くの場面がスムーズに突破できるようになります。


グラフィックやサウンドのクオリティの高さは言わずもがなで、
ギュルルンと回るジャンプや逆上がりで足場の上に回り込む動きなど
一つ一つのアクションがカッコよく、
なるほどこれは伝説のゲームですわ……という感じ。


ただやはり難易度は高く、最初は訳も分からず死にまくるし、
終盤ステージに至っては分身と必殺技を持ってるのが前提になっていて
どっちも残ってなければ死ぬしかないような構成に感じたので、
その辺が人によって評価が分かれそうなところでしょうか。


ストライダー飛竜もそういう傾向はあったと思うのですが、
敵の配置や攻撃が激しくて、「敵が出た瞬間、攻撃される前に潰せ」
「そもそも厄介な敵が出ないようにスクロールや通るルートを調整しろ」
みたいな作りになっている場面も(特に後半に)多く、
なかなか攻略を確立するのが大変でした。


多少ネット上の攻略情報のお世話になった部分はありつつも、
最終的にはラスボスの直前までは結構安定したパターンが作れたので、
なんだかんだで理不尽というほどの難度ではない、かな。

まあそのラスボス直前以降はボム(必殺技)使用が前提すぎて
理不尽に片足突っ込んじゃってる気もしますが……。

海外版


というわけでなんとかノーミスクリアまで達成できました。
最近のレトロゲー復刻作品の例に漏れず、
本作も移植にあたってセーブ・ロード機能が追加されているほか、
チート機能で無敵化できたりもするので、練習がしやすいのが幸いでした。


6つのスロットにセーブ・ロードができますが、
本作には海外版の『Osman』も収録されており、
日本版と海外版でセーブスロットも別扱いになってますので、
実質的に12スロット使えるのとほぼ同義。

海外版のゲーム内容は、テキスト関係と最初に操作説明デモがある以外は
日本版と同じのようですので、同じ攻略法が通用します。


以下、攻略メモを書いておきます。




3面で通るルートによって、狄の戦士たちと3・4・5面で戦う順番が変わってきます。
ネット上の動画や攻略記事などを見ると人によって結構選択ルートが違っていますが、
私は [下→下] のルートで進んで
3面ティアノン、4面カノンス、5面ウィルフの順番で戦うのが安定度が高かったです。


3面のボス部屋は、重力?で部屋の外周をグルグル回るという、
飛竜の反重力装置を思わせるギミックがありますが、
ここをティアノン戦にした上で、分身が4つ付いた状態で戦えば、
外周をグルグル回りながら連打してるだけで
ティアノンが勝手に分身に当たってくれて高確率で勝てます。

ティアノンの動きは割と気まぐれなのでこれだけだと確実ではないですが、
ティアノンが足場の上に降り立ったのを察知したらジャンプボタンで重力から抜けて
反対側に退避すれば、敵のキックや爆風をやり過ごせるので確実性が増します。
被ダメージで分身を失ったら、部屋内のアイテムを回収すればある程度リカバー可能。



4面をカノンスにした場合は一番上の足場で避けながら戦いますが、
ボス戦前にダメージを受けていた場合は、上のツイートのように
ジャンプ台(「反重力クリスタル」らしい)を駆使すれば
ボス戦開始前にアイテムを回収して回復できます。


5面をウィルフにしたら、部屋は砂漠の重力部屋をチョイス。
ティアノン戦とは逆に、重力には一切乗らずに戦います。
開始したらジャンプせずに歩いて部屋の一番下に降り、
あとはウィルフが突っ込んでくるのを待って、来たら蹴るだけ。
たまに円盤(?)を投げてくることがありますが、
その場合はスライディングで反対側にかわして
背後から蹴るなどして対応できます。

下手に上に行くと危険なので、もしダメージを受けても
部屋内のアイテムは回収しようとしない方がいいです。
こいつは分身がなくても問題なく勝てますので、落ち着くこと。


5面ラストのEURO-GAMは、分身がないとどうにもならないボス。
直前でもパワーアップが取れるので、分身を失わないように気を付ける。
ボスが常に撃っている弾が当たらないギリギリの位置で待ち、
ボスの予備動作を確認したら立ち攻撃を空振りしてその場に分身を置き、
急いで左にスライディングで退避。突っ込んできたボスに分身で攻撃します。
この繰り返し。


最終面の6面。火を纏った天女のようなザコ敵が厄介ですが、
開始直後に登場する1体目は、開始位置から少し前進すると出現しますので、
前方ジャンプから空中でターンして最初の足場に戻り、
画面内に入ってきたところをジャンプ攻撃で迎撃。
出現直後に倒せないとダメージ必至なので、分身を利用して素早く倒すべし。

以降の2体目3体目も出現直後にジャンプ攻撃で即潰すようにしましょう。


急な坂で上から突っ込んでくるトラックは、
直前の真上に飛ぶ2つのジャンプ台の1つ目で垂直に跳んで、
落ち始めてから右に動いて2つ目に乗ってまた垂直に跳ぶと
うまくジャンプ中にトラックをやり過ごせる位置取りに調整できます。

中ボスのHERIOとGAMRANは普通に倒すだけですが、制限時間がシビアで、
分身を失ってしまっているとこの辺で間に合わなくなってミス確定しますので、
ノーダメでここまで来れるように要練習。GAMRANを倒すと時間が回復します。


次のFAKE戦は、背景の像の腕の下側のラインに
自キャラの頭を合わせるくらいの位置で壁につかまっていると安全地帯。
ここで連打してれば敵が勝手に当たってくれます。
ただし、ここも時間がシビアな上に敵の動きが気まぐれで
なかなか近づいてきてくれないことがありますので、
ある程度パワーアップして攻撃の威力を高めておかないと間に合わなくなります。
パワーアップを維持して挑めるようにこれまた要練習。


狄トリオとラスボス、最後の2連戦。
必殺技はノーミス狙いだとゲーム中3回しか使えませんが、
それを3発ともここまで温存するのが重要。

というか、トリオ戦ははっきり言って「ボム(必殺技)を消費させるためのボス」
という感じで、ノーボムで倒すのはほぼ無理ですので、素直にボムって倒しましょう。
とにかく必殺技2発をうまく当てればそれだけで全員倒せるか、
倒せなくとも残り一体で勝利目前の状態まで持っていけますので、
ここでトリオを無難に倒して残り1発の必殺技をラスボス戦に持ち込みます。


ラスボス戦はだいぶ運ゲー度が高く、パターン化は無理っぽいので、
基本的にはひたすら避けながら戦うしかありません。

ただ、ボスは残り体力によって攻撃パターンが3段階あり、
このうち一番厄介な2段階目に切り替わったタイミングで
必殺技を使って大ダメージを与えれば、
2段階目をすっ飛ばして即座に3段階目に移行させられるので、
これが成功すると勝率は結構上げられます。

ボスのパターンが切り替わると同時に背景のグラフィックも変化するので、
それを目印に狙っていきましょう。

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以上、キャノンダンサーについてでした。
いいゲームだった。