ムーンライダー: ガーディアンの逆襲

『ムーンライダー』をプレイしました。


https://store-jp.nintendo.com/list/software/70010000056215.html


『ムーンライダー: ガーディアンの逆襲 (Vengeful Guardian: Moonrider) 』
が正式タイトルかな。
先月に発売された最新のインディーゲーム!なのですが、
例によって16bit機時代を意識したレトロ風の2Dアクションとなっております。


Steamや他のハードでも出てるようですが私がプレイしたのはSwitch版。
開発はOnikenやBlazing ChromeのJoyMasherさんとのこと。
今年はBlazing Chromeをやりたいなとか前に言ってましたが、
ニンジャの魅力には逆らえず、最新作のこちらの方を衝動買い。



かつての政府を打ち倒し、『委員会』が実権を握った国家ペンライ。
委員会は人工的に生み出したガーディアンと呼ばれる超人兵士で
反乱分子を抹殺し、全体主義的な圧政を敷いていた。
「何かが…間違っている。」
人々の苦しみと自らの使命に疑問を抱いた
ガーディアンの一人『ムーンライダー』は、生物兵器研究所を脱走し、
人々を開放するために委員会に反旗を翻した。


……というようなストーリー。
主人公は、作中では別に忍者と明言はされてないのですが、
ストアページの説明にはしっかり『忍者の戦士、通称「ムーンライダー」』
って書いてありますし、実際プレイしてみると
ゲーム的にもレトロ忍者ゲーオマージュの部分が多いです。

昔ながらの2Dアクションなのでお話は割とあっさりしていますが、
ステージの合間などにストーリーデモが挿入され、
ボス戦前には会話があったりなど、ストーリー描写もそこそこあります。


ゲームシステムについて。
アクション周りは『スーパー忍2』に近い。
通常攻撃はエネルギーの刃のようなものを振る近接攻撃ですが、
それ以外は、高めのジャンプ、壁を蹴って三角跳び、急降下キック、
横2回かZRを押しながら移動でダッシュと、スーパー忍2と類似のシステム。
高威力のダッシュ斬りの挙動もスーパー忍2っぽい。


一方、立ち攻撃が連打で3連斬りになったり、
ステージクリアで武器ゲージを消費する特殊武器が手に入ったりするあたりには
ロックマンX系列の空気を感じます……というか、
ステージセレクト画面からステージを選んで開始する形式で、
ボスが主人公と同様の人型のガーディアンであり戦闘前に会話があることなど、
これはもう完全にロックマン方面の文脈ですね。
忍者ゲーとロックマンのハイブリッド。GG忍か?(笑)


ゲーム全体の流れは、本編とは別になってるチュートリアル面を除くと、

オープニングステージ→選択ステージ6面→終盤ステージ2面

の全9面。
ですが一つのステージが長く、だいたいのステージが前後半に分かれていて
2回以上の中ボス戦が挟まる構成となっており、
この手の面クリ型の硬派アクションとしては一周に時間がかかる方だと思います。


各ステージには「チップ」が隠されており(隠れてないものもある)、
これを取ると一度に2つまで装備できて、
アクションの性能アップや新たな能力の付加などの恩恵が得られます。
ただしチップの能力が必須になる場面はなく、一切取らなくてもクリアは可能。


ライフ制+残機制ですが、穴に落ちても即死ではなく、
ダメージを受けた上で近くの足場に復帰するシステム。
回復や1UPアイテムの配置も多く、全体的に易しめの調整だと感じましたね。



以下感想。

見た目結構硬派な感じに見えて、実際硬派なゲームではあるんですが、
上にも書いた通り難易度自体はそれほど高くない印象。
ボスを倒して入手できる武器の一部がかなり強力なのと、
チップによる性能アップもできるのとで、
ステージの攻略順を考えてプレイすれば楽にクリアできるようになり、
ロックマン系の戦略で勝つ楽しさがあるのは良いと思いました。


操作性も快適で、素早い移動と高いジャンプで縦横無尽に動き回れるのが楽しいです。

ただ、慣れると常にダッシュボタン押しっぱなしになるのは
ちょっと指が疲れるかもしれません。デフォでダッシュ状態でよかった気も。

基本的に、通常攻撃よりもダッシュ斬りや空中からの急降下キックの方が
強いので、攻略を詰めると、それらの技で敵に突っ込みながら
駆け抜けるようなプレイになっていくのが爽快です。


一方、強力な武器を何も考えずに撃ってれば突破できるような場面も多く、
ボスも強い武器さえあればゴリ押しで行けたりするのが
だいぶ大味感があってが好みが分かれそうなところかもしれません。


ステージクリア後にいわゆるランク判定がありますが、
これもある程度プレイに慣れたら普通にクリアしてもSランク取れる程度のゆるさ。
一応下はEくらいまであるのかな? 無論それなりの素養は必要と思いますが、
アクション慣れしてる人ならあまり苦労はしないと思われます。


硬派に遊びたい人は、特殊武器不使用&チップ装備なしでプレイすると、
一部のボスの難度が跳ね上がって熱い戦いが楽しめます。
それでもちゃんとノーミスクリアできるようになってはいる……というか、
そのくらいの縛りを入れてやっと古の硬派アクションくらいの
難易度になるように感じました。


ステージ単位だと、『破壊された都市』ステージが、スピード感と演出の熱さで
他より頭一つ抜けて面白かったように思います。駆け抜けろ!


スピーディーに駆け抜けるのが楽しいゲームですが、
それができない強制スクロールや動く足場を乗り継ぐ場面も多く、
その辺は少し引っかかりを感じましたね。

2回ある疑似3Dバイク面も、敵やギミックのバリエーションが多くない割には
けっこう長く、冗長に感じたというのが正直なところかな。



散りばめられた忍者ゲーオマージュが、
その道を志す者(?)としては、なかなか楽しめるところ。
上の画像の背景はどう見ても忍者龍剣伝の邪神像ですよね!?

このステージは遺跡という設定で、ステージ開始前の説明に
「とんでもないものが見つかったらしい」とあるので、
遺跡から発掘されたとんでもない邪神像という、
設定までオマージュ元に被せてある形で、制作者のお遊び感が強い。

『ASURA艦隊』ステージなんかも、分かりやすい『スーパー忍2』っぷり。
強制上スクロールのエレベーターで狭い横穴から伏せ撃ちしてくるザコ兵、
見たことあるぞ。

他にも「これどっかで見たな」「これの元ネタはあれかな?」がちらほら。

楽しませていただきました。



ちょっと攻略について書いておくと、
『忘れられた遺跡』ステージが、ステージ易しめボス弱めな上に
入手できる特殊武器『ダークポータル』も強力なので、
最初にここに行っておけばかなり楽できます。


チップはオープニングステージで手に入るMP自動回復だけあれば、
もう一つのスロットはお好みで。とにかくMPを切らさずに
いつでもダークポータルを撃てるようにしとけば難易度はぐっと下がる印象です。


特殊武器やチップを使わずに攻略する場合は、『レーザー兵器研究所』のボスと、
ラスボス戦前の爺さんがなかなか安定しませんでしたので、要練習。
あと『破壊された都市』のボスもそこそこ手ごわい。


ステージは武器縛りでもあんまり難しくないですが、
レーザー兵器研究所のザコ砲台の弾は跳ね返せるというのが分かりにくかったので
憶えておきましょう。前兆の音がしたら攻撃を連打すればちょうど跳ね返せます。


盾を構えてガードしているザコは、逃げずに待ってると目の前で止まって
ガードを解くので、素早く2回斬れば敵が剣を振る前に倒せます。


それから『海水淡水化プラント』の最初の中ボス(マザーブレインみたいなやつ)は、
思い切って近づいて、被ダメを無視して急降下キックを当てまくれば瞬殺できます。
普通に斬って倒そうとすると時間がかかるのでゴリ押し一択という感じ。

他も全体的に、ジャンプからの急降下キックをうまく使うのが肝かな。


他にも書けることはありそうな気がしますが、この辺にしておきます。
いいゲームでした。