第27回3分ゲーコンテストの話

12/4~18まで開催されていましたプンゲこと第27回3分ゲーコンテスト。
ゲームを出す側としては参加しませんでしたが、
結果を受けて個人的にここに何か書くのが毎回恒例みたいになってますので、
今回も色々書いておきたいと思います。


第27回 | 3分ゲーコンテスト
https://3punge.wixsite.com/3punge/27


優勝は『ブロックパズルRPG カケラの塔』。

4種類の宝石が組み合わさったピースを盤上に設置し、
指定の並びにすることで主人公の攻撃や防御などの能力をアップさせ、
ピースを置くたびに現れる敵との自動戦闘に勝つと先に進める……という、
軽いRPG要素のあるパズルゲーム。
ルールに独自性があって完成度も高く、納得の優勝でした。

出てくるピースがランダムらしいので、
私は若干運ゲー度が高めに感じて、テトリスみたいに
次のピースを予告してくれるとありがたいなと思ったりもしたのですが、
この手のパズルゲーは普段あまり触れてないので浅はかな考えかも。

最新のバージョンでは運要素のないモードも実装されているようで、
なかなか抜かりないというか、やり込める作り。
あとツイート機能で凄いスコア出してる人がいるのを見れるのも、
宣伝という点では強いのかもしれません。楽しませていただきました。


2位は『HAZAMA_QUEEN』。ジャンルはFPS
前々回での同作者の作品『CYNOROID 3D』もFPSでしたが、
ミニゲーム的に小さくまとまっていたあちらとは違い、
かなり本格的かつ尖った作りになっています。

自動で減っていくライフを敵を倒すことで補充していくという
ゆっくりさせてくれないピーキーなシステムが、
言わば3D版のラン&ガンというか、
ガンガン撃ちながらテンポよく駆け抜ける疾走感を作り出しており、
ステージが進むごとに加熱していくBGMもそれにマッチしていて
とても楽しいゲームでした。

個人的にあまりFPS(というか3Dゲー全般)に明るくないこともあり、
操作の不慣れさはあったのですが、最低難度ならジャンプやダッシュ
ほぼ使わなくてもクリアできるという好バランスにも助けられましたね。

残りライフ量が数字やゲージで明示されないのと
何もしなくてもライフが減っていくシステムの食い合わせが
若干どうかなと思うところもあったのですが、結果的には堂々の2位。

私も2位票を入れてましたので、これも納得の順位でした。


私が1位票を入れたのが、3位の『サンタガールは止まらない!』。
道中に落ちているプレゼントを回収しながらステージを駆け抜ける
タイムアタック2Dアクション。

アイテムを取っていくだけのシンプルなルール……ではなく、
プレゼントの回収にワンアクション必要な上、
スライディングやブレーキといったアクションで競技性を高めた作り。
これだけで充分楽しいんですが、作り込まれた背景に多様なオブジェクト群など、
ビジュアル方面の作り込みも凄い。君は「サンタちゃん推参!」を見たか!?

3つのステージ全てSS評価でクリアできましたが、
ガチガチに完璧なプレイでなくても最高評価を取れるのも
良い匙加減だと思いましたね。

プレゼント回収にボタン操作が必要な点や、
ブレーキの操作が「左右同時押し」だったりなど、
既存の2Dアクションをあえて面倒くさくしたようなシステムなのが
どうなんだろうなと最初は思ったのですが、
実際プレイしてると全然楽しいので何の問題もなかった感じ。
むしろそういう要素で深みが出ているというところに
個人的に知見というか、学びがありましたね。
楽しませていただきました。


個人的に印象に残ったのが、『THE ATOMIC FLY -原子バエの猛襲-』。

1950年代のモノクロ海外モンスター映画のオマージュという、
あまりにニッチかつ俺直撃の題材。

私は平安京クライシスとスーパーシャドーブレイクを作る際に、
宇宙人とか怪獣とかの元ネタにするためという大義名分(?)のもとで
この手の映画をそこそこの数見たのですが、その私から見ても、
3分ゲーという制約の中で元ネタの雰囲気がよく再現されていると感じました。



モノクロ画面の再現性もさることながら、音楽のそれっぽさがもうね……(笑)
DL版に付属のおまけ動画(?)も完全に「当時の予告編」で、
その手のDVDに映像特典として入ってるやつや!となりました。

ゲームとしては、車で移動しつつ時限爆弾を設置して
原子バエを倒すというシステムのアクションゲーム。
こういう重要兵器を一般車両で運搬・運用しがちなのも割とあるあるな気がする。

基本的に難しいですが、ちゃんと説明を読んで原子バエの挙動を理解したら
簡単な必勝法があることに気が付きました。
楽しませていただきました。


もう一つ印象深かったのが『fulhon』。

今回、皆さん結構真面目というか、
break it!!』のようなギャグに振ったものでも
ゲームとしての作りはしっかりしていて、
作品としてコンテストとしてそれは非常に正しいのですが、
いつもの3分ゲーのカオスっぷりを知ってる身としては
若干の物足りなさを感じないこともなく……と、
そんな中にあってベッキー42さんがやってくれました。

この『fulhon』、基本的にボタン押してると
よく分からないテキストが延々と出てくる内容で、
Twitterの感想とか見てると困惑した方もいらしたようですが、
私としては、懐かしの『ShootinerbZn』や『酔っ払いナプトラ』などの
テキスト主体ベッキーゲーの味わいを久々に楽しめてとても嬉しかったです。

文章を進めるとお出しされる「本」の内容に関しては
読み物としてちゃんと面白いものもあり、
名誉の最下位!とか言っちゃったら失礼かもしれないとは思いつつ、
でもやっぱ3分ゲーにはこういうのが必要だよなあ、
などと誠に勝手ながら思う次第です。
本当にありがとうございました。


あと『ヨムダケ』も、文章を読むだけのノベルで、
最後にランダム生成みたいなモードになる(ver0.71)という
fulhonと似通ったコンセプトのようだったのですが、
蓋を開けてみたら、fulhonとはメインである文章の方向性が全く違うので
不思議と被ってる感じにはなってませんでしたね……(笑)

収録されてたお話では『落下』が面白いと思いました。
ノベル用のツールによる作品ではないからか、
タイトル画面や文章の表示処理なども凝っていて新鮮に感じました。

作品としてはまだ未完成とのことですが、
文章中の単語をプレイヤーが入力できる遊びが面白いというのは
前々回の『あなたの物語を書きたいのっ!』でも感じたので、
そこが実装されていればまた結果も違ったかもという気もします。


その他、アクション勢としては、
手堅い作りの2Dアクション『サイコストリーマー』や
弾幕STG『救哭ノ鳥』なども印象に残りましたね。
Twitterで全作品の感想書いたので、ここではこの辺にしておきますが、
今回は(も?)なかなか粒ぞろいというか、遊べる作品が多くて楽しいお祭りでした。


参加者の皆様、主催者のやれやれ様、今回もありがとうございました。
次回も楽しみにしています。