第26回3分ゲーコンテストの結果について

毎回楽しませていただいてますフリゲコンテスト『3分ゲーコンテスト』。
その第26回が終了したので、いつものごとく感想などを書きます。
微妙に各作品のネタバレもありますので、気になる方は遊んでからお読みいただければ。


第26回 | 3分ゲーコンテスト
https://3punge.wixsite.com/3punge/26




今回の優勝は『マジカル☆ウィッチ ケーキ防衛大作戦』。
私も1位票を入れました。

3つある装備スロットに8種類の魔法から選んで装備し、
それらを適宜切り替えながら押し寄せるイタズラ妖精の群れを
撃ち落としていくという防衛シューティング。

上記ツイートにも書いた通り、
「同じ種類の魔法を複数装備できる」「使ってない魔法はMPが自動回復」
というシステムから、エリソルことメガドライブの名作2Dアクション
エイリアンソルジャー』を思い起こしたのですが、意識されたのでしょうか。

個人的に、エリソルは自分の制作における影響度の大きい作品の一つなので、
まんまと狙い撃ちにされた感があるのですが(笑)、
自キャラが移動できない防衛STGで、通常ショットとは別に右クリックで
「パワーショット」が撃てるなど、オリジナリティも十分だと感じましたね。

クリア時の評価で高ランクを狙うなら、
パワーショットの性能も考慮して魔法の組合せを考える必要があり、
戦略性があって楽しくプレイさせていただきました。
凝った演出やグラフィックも見どころでした。


2位は『じゃんけんの手を30手に増やしてみた』。
獲得点数が1票でひっくり返る範囲にある上位作品は、
実質差はないだろう……みたいなことを過去の回の記事でも
書いた記憶がありますが、今回はなんと1位と0.5ポイント差。
しかもプラス票での獲得点は1位よりも多くて、
マイナスポイントの「3分ゲーと思えない票」が明暗を分けたという、
なんとまあ面白い結果に。

プンゲはただゲームの出来を競うだけのコンテストではないのだ……
解釈に幅のあるルール、一般投票者の傾向、そして己の能力、
全てを計算に入れて獲得スコアを競う、それ自体がひとつのゲーム!
……と私は解釈していますが、それが如実に表れた結果と言えるのでは。

『じゃんけん30手』の内容は、タイトル通りのクソゲー……
と思わせてからの急展開、そして……というギミックで魅せる作品。
遊んでいてストレートに完成度の高さを感じたので、
1位でも2位でも納得の順位だったのですが、
相性が分からない手が出てくる激難モード(良い結末を見るにはクリア必須)が
実質死に憶えゲーになるのがちょっとネックかなという気もして、
迷った末に私が入れたのは印象票でした。


で、私が2位票を入れたのが5位の『ウッフィーの銭道』。
毎回闇成分強めなゲームを投げてくる九条エミリア氏の作品ですが、
今回はヤバいネタは割と抑えめ。
……と思ってると実在人物がネタにされてたりしますし、
そもそも主役が有名キャラのパクリだったりもしますが。
ひたすら金を稼ぐ金稼ぎゲーで、
うろつく、アイスを売る、買収、などのコマンドを駆使して
決算日までに金を稼ぎまくれ!という内容です。

『マジカルウィッチ』や『じゃんけん30手』が綺麗にまとまっていて
完成度が高かったのとは対称的に、『ウッフィーの銭道』は、
一部のイベントが結果を左右しすぎる感があるし、
バグや誤表記と思しき部分も散見されて、
言ってしまうとガバガバな作りなのですが、
一方で豊富なイベント絵、買収する企業名などの小ネタ、
際限なくインフレしていく各種数字などなど楽しい要素も豊富で、
ガバ要素とか関係なく延々と遊んでしまう魅力があると感じました。

ゲームとしては、この方向性を突き詰めていくと、かの有名な
『クッキークリッカー』みたいになっていくのかな、という気がします。
うまくいってるときの何やっても儲かるインフレっぷりとか特に。
疾走するSMZ!降り注ぐ札束!金が全てや!楽しいゲームでした。


3位の『ヴェスクガンズの戦い』は設定もゲーム内容もハードコアなRTSで、
私はクリアには至りませんでしたが、熱い展開と凝ったシステム等、
非常に作り込まれた内容でしたのでこの順位も納得。

印象票がぶっちぎりの9も入って4位の『モグモグはっけん!かろりっち』は、
ゲーム内容はごくシンプルな育成ゲーですが、「それっぽさ」が凄く、
この印象票の多さもやはり
「面白いとか面白くないとかよりも再現度がすげえ!」
ということなのかなと、これまた納得度が高い。

上位陣に関してはそんなところでしょうか。


あと、アクション勢として言及しておきたいのは『クラッシュラッシュ』。
マジカルウィッチが優勝な一方でこれが9位なのは厳しいというような
意見も見ましたが……確かにもう少し票が入ってもいい気はしますね。

赤一色でスタイリッシュにまとめられたグラフィックに、
開始時の演出も凝っていて、BGMもカッコよく、
ビジュアルもサウンドも完璧な印象でしたが、
一方で、だんだん狭くなるフィールドや敵弾の速さ、
投げたら回収しなければならない攻撃手段の槍など、
プレイの部分では窮屈さ・圧迫感みたいなものを強く感じたので、
その辺が受けが悪かったのかな……いや分かりませんが。
そういう部分も作者さんが意図された表現なのだと思うので、
なかなか難しいところ。私は印象票を入れましたが、
1位票を入れた方もいらっしゃるようですし、ポテンシャルはあると思いました。


1位票が入っているといえば、6位と8位の
『クイズ!植物たんといっしょ』と『ねぇ、知ってる?』にも、
ともにゲーム性の薄い内容ながら1位票が入っているのが興味深いところ。

ゲーム性が薄いと言いつつ作品としてはどちらもちゃんと作られており、
特に『ねぇ、知ってる?』は、選択肢のないノベルですがいろいろ深読みできる内容で、
フルボイスの台詞にも雰囲気が感じられ、印象深い作品でした。(印象票)

その辺も含めて、全体的には割といい感じに票がばらけているというか、
作品だけでなく投票者の傾向もまた様々という感じがして、
作者視点だと一筋縄ではいかない、プレイヤー視点だと多様な作品が楽しめる、
面白いお祭りになっていたのではないでしょうか。


というわけで、今回も非常に楽しませていただきました。
参加者の皆様、主催のやれやれ様、ありがとうございました。
次回も楽しみにしています。