GB版『まじかる☆タルるートくん』をプレイしました。
91年バンダイより発売。
アニメ化もされた当時の同名の人気漫画が題材のいわゆるキャラゲー。
原作は、ふわっとしか知らないですが、少年『本丸』と
魔法使いの『タルるート』(通称タル)が主役のギャグ漫画、とのこと。
ゲーム内容は本丸が主人公で、タルはタコヤキ20個か
特定のアイテム取得で現れて後ろからついてくるオプションのような扱い。
また、タルがいるときにダメージを受けるとタルが消えて、
本丸だけの状態で被ダメするとミス、
というマリオのキノコや魔界村の鎧のようなシステムを兼ねてます。
基本はAでジャンプBでパンチ攻撃のオーソドックスな2Dアクションですが、
タルがいるときにセレクトボタンでメニューが表示され、
ここからタルに「てをだすな」「しにそうだよ」「やっつけちまおうぜ」
の指示を出すことができ、「しにそうだよ」だと防御メイン、
「やっつけちまおう」だと攻撃メインの援護を行ってくれます。
もう一つ、このメニューで「とっくんだ」を選ぶとミニゲームが始まり、
3種類のミニゲームをクリアすれば本丸の攻撃力が恒久的に上がるという
成長要素のようなものがあるのですが、どのミニゲームも面白さは今一つな上、
3種類全部こなしてやっとレベルが1上がるという、ちょっと微妙な要素。
……なんだけどこの特訓シーンの音楽がやたらカッコいいので、これはこれで。
あとは、2面ボスと3面だけラジコンヘリに乗って進む
横STG面になるあたりが特徴的かな。
で、一通りプレイした感想。
主人公のパンチのリーチの短さや、1面から不意打ちみたいなトラップがあったり、
いきなり難度が跳ね上がる3面のSTGなど、激ムズってほどでもないものの、
題材に反してなかなかシビアな難度で最初はちょっと面食らいつつ進めてました。
全4面しかないのですが、最後の4面の後半は、
「下から飛び出してくると同時に斜め上に弾を撃ち、さらにその弾が戻ってくる」
という凶悪な挙動の敵が出現して初見では死にまくり。
さらに、特訓なしでラスボスを倒そうとすると結構な回数殴る必要があり、
ノーミスで到達した場合は残り時間がタイトでタイムアップの危険が大きい。
ああこれはタルの援護と特訓による攻撃力強化が前提なんだろうなと思いつつ、
念のため検証したところ、4面はどうやら
「道中を急いで駆け抜けて、タイムを130秒以上残してラスボスに到達し、
ボスの行動一巡の間に4回殴るペースで効率よくダメージを与えていけば
タルの援護なし&特訓なしでもタイムアップ前に倒しきれる」と結論。
そのギリギリっぷりに「制作者の意図」を感じ取るに至り、
1面からの殺意を感じるトラップや、難度が跳ね上がるSTG面にも、
なるほどそういうことかと得心がいきましたね。
つまり、これはキャラゲー要素でカモフラージュされた硬派アクションだと。
2回食らったら死ぬシステムでコンティニューも有限という、
仕様面の妙なシビアさにも納得。最初からゲーマー向けの作りだったわけだ。
面白えじゃねえか……!
というわけで、最終的にはタルの援護なし、特訓なしでノーミスクリア達成。
4面は慣れるとかなりテンポ良く進めるようになっていて、
前半のブロックに擬態した敵はノンストップで進んで即殴れば
だいたいは弾を撃たれる前に倒せるし、後半の厄介な魚も、
取りづらい位置にある無敵アイテムをしっかり取っていけば
最後以外は無敵で駆け抜けられるようになっており、
なかなか熱い出来になっております。
4面しかないので短時間で気軽に一周できるし、
GBの小粒な2Dアクションとして充分以上の内容。良作。
硬派アクションと書きましたが、タルの援護や特訓による攻撃強化などもある上、
道中で1UPもたくさん取れるので、それらを活用すれば
そこまでガチなアクションゲーマーでなくとも
普通にクリアは可能(無論ある程度の素養は必要ですが)になっていて、
心ニクいというか、調整の妙を感じましたね。
レトロゲームが高騰してるという話は近年よく聞かれますが、
このゲームは今のところだいぶ安く買えるので、
皆さんこういうゲームをもっと買って遊べばいいのでは、
とかちょっと思ったりしました。いいゲームだった……。