第25回3分ゲーコンテストの結果について

毎回楽しみにしている3分ゲーコンテスト。
毎回感想などを書いているわけですが、第25回の結果が出ましたので、
今回も適当にいろいろ書きます。


第25回 | 3分ゲーコンテスト
https://3punge.wixsite.com/3punge/25


参加作品数が前回から大幅に増えて22作品。新体制に移行してから初の20作品越え。
優勝の『即席魔王軍』は完全に予想通りでしたが、
2位以下の順位が個人的に意外だったというか、完全に予想が外れましたね。


私は『おしっこ忍者』に1位票を入れたんですが、結果は7位。
3位から7位まではあまりスコアに差がないので、
実際は結構惜しかったとも取れるかな。

WASD+マウス操作で、「おしっこ」を発射して敵を倒しながら
強制スクロールで進んでいく2Dアクションなのですが、
操作感とかメカニクスとか挙動とか、
そういうアクションゲームとして大事な部分がとても良かった。
おしっこの威力は強力な一方、当たると自分もダメージを受ける上、
ゲージ管理の必要性もあり、リスクとリターンを見極めつつ立ち回る楽しさ。
グラフィックやサウンドもしっかり作られており、完成度が高いと思いました。

投票者コメントを見ると、逆にそういうテクニカルな要素というか
ゲーマー向けな部分が大きかったのが、7位止まりだった理由っぽいでしょうか。
アクションゲームとしての「深み」みたいなものが、
アクション勢じゃない人にとっては取っつき辛さになりうるというジレンマ。
ふーむなるほど。


その視点で見ると、3位の『ロシア人を上に!』は、
ありがちと思いきや一捻りあるシステムの2Dアクションで、
カジュアル感とコア向け要素のバランスの良さが高評価の理由なのかもしれません。
あとはタイトルにも表れている独特の演出センス(?)の魅力によるものか。


12位『ジャンプ避け』もロシア人と同様に一捻りあるシンプルアクションという感じで
楽しめたのですが、順位に差が出ているところを見ると、
やはりロシアンバスター!みたいなキャッチー要素が重要だったのかな……(笑)


4位の『大江戸時代活劇 児雷也外伝RB からくりまざーのまき』は、
アクションゲームとしてはシンプルなシステムながら、
気合の入ったゲームボーイ再現やストーリーデモ、図鑑、隠しモードなど
作り込みが素晴らしく、とても楽しい作品でした。

その総合力の高さから、まあ3位には入るだろうなと予想していて、
私自身も2位票を投じたのですが、結果は僅差とはいえ4位。
Twitterで「奇をてらわずストレートに楽しいアクションゲーム」
という感想を書いたんですが、まさにその「奇をてらわない」ことが、
奇ゲーバカゲー入り乱れる今大会の中では災いしたのでしょうか。
いや災いというか4位なので十分に高い順位ではあるのですが。
もう少し尖った要素とかがあれば、また違った結果だったのかもしれません。


それでその、完全に「尖った要素」で支持を得た感があるのが
2位になった『ドクターネコバ 医療崩壊』。
一応ドクターマリオをアレンジしたようなゲームではあるのですが、
やたら複雑なルールによく分からないパラメータ群、突然現れるウィルス、
高速スクロールする背景、見てる暇のない風刺っぽいテキスト。
さらにはプレイが長引くと固まるバグ挙動など、
明らかにゲームとしてよろしくない要素をまでも取り込んで、
カオスな勢いに乗せて謎の高揚感を体験できる奇ゲーでした。


私の中では、さらに尖りが進んでもはや私の理解を超えていた
SVG,FPS,running』の方が印象が強烈(マジですごいぞ)で、
ドクターネコバの方はちょっと相対的に印象が薄くなっていた感があり
3位以内に入るとは予想していなかったのですが、
確かに冷静に考えるとポテンシャルの高さは3位に入ってもおかしくなく、
実際2位ということで、まあ何というか、見誤ってましたね(笑)


ということで、一緒くたに語るのもあれな気がしますが、
『ドクターネコバ』と『SVG,FPS,running』、
どちらもインパクト絶大な奇ゲーですので、未プレイの方は是非。


最後に、見事一位に輝いた『即席魔王軍』について。
「なぜ勝てたか」みたいな理屈をゴチャゴチャ考えるまでもない
1位票9という圧倒的強さ。まあ私が入れたのは印象票でしたが、
これが優勝だろうなという確信の元での投票でしたので、納得度が高いです。

題材やキャラのキャッチーさに加えて、システムのオリジナリティと
カジュアル/やり込み両対応の難易度選択で
幅広い層に訴求力がありそうだと感じましたね。楽しいゲームでした。


今回、投票に際してはかなり迷いまして、
最初は「客観的に見てこれだろ」みたいな判断でこの即席魔王軍に
1位票か2位票を入れることを考えていたのですが、熟考の結果、
「いや客観的にどうこうじゃなくて主観で選ぶべきだろ!」という喝に達したため、
最終的には自分の好みを優先してアクション勢に票を入れました。
そういう葛藤をせざるを得ないほど、今回の上位候補は甲乙つけがたかったです。


ここまで言及した作品以外にも、
無駄に豪華フルボイスなバカゲーノベル『Nurse it!!-茄子風邪は馬鹿がひく-』、
Live2Dでぬるぬる動く立ち絵がすごい『あなたの物語を書きたいのっ!』、
どシリアスな前フリからのからあげミニゲーム3連発
『アゲアゲ君と世界を裏切った私が最後に見た幻想』、
洗練された画面とカッコいいBGMから繰り出される
あんまりなゲーム内容の『ゴッチャサッカー』などなど、
今回は個性的かつ印象的なゲームが多くて、非常に楽しませていただきました。

参加者の皆様、主催者のやれやれ様、ありがとうございました。
次回も楽しみにしています。