帰ってきた魔界村

f:id:bunaguchi:20210312200455j:plain:w500

クリアしました『帰ってきた魔界村』!
難易度は上から二番目の『孤高の騎士』、魔玉を集めて真ボス撃破まで。
チャレンジ(実績)は27/31。オービィ及び魔法のコンプ、魔時計、2Pの4つが未達成。
やり込む余地はまだありますが、ちょっとこれ以上は勘弁してほしいという感覚なので、
ひとまずこの辺で区切りとしておきます。


それで、いつものごとく感想などを書いときたいわけですが……

発売前に書いた前回の記事で、帰ってきた魔界村について
『多少の「解釈違い」は覚悟してるけど今のカプコンならそう大きくは外さないだろう』
と予想してましたが、いやはや蓋を開けてみたら、
かなり根本的なところから「解釈違い」が含まれており、
どういうテンションでこのプレイ後記を書いたらいいのか……(笑)

ゲームの概要

まず基本的なことを書いとくと、『帰ってきた魔界村』は、
先月2月25日にカプコンから発売したSwitchのDL専用ソフト。


公式サイト
https://www.capcom.co.jp/makaimura/return/


シリーズ初期作品であるAC版『魔界村』『大魔界村』の2作をミックスしつつ、
新たな要素を加えた、リメイク色の強い新作。税込3,990円。


魔界村シリーズの基本的なアクションについては、
ここを見るくらいの人はもう知ってると思うので細かくは書きませんが、
今作では、上下撃ちあり、2段ジャンプなしという『大』に近いシステムになってます。
左右移動の速度は若干遅めかな。『大』ほど機敏ではない印象。
ジャンプはもちろん空中制御不可。


タメ撃ち操作で「魔法」も使えますが、
今作の魔法は後述のスキルツリーで開放するスキルのような扱いで、
武器と関係なく装備でき、しかも複数種類を装備してLRで切り替えて使えます。
鎧の状態とも関係なく、裸でも使用可能。

発動演出中は無敵ですが、使用後の無敵時間はかなり短く、
また使用後にはタメ時間とは別に、使った魔法の種類に応じた一定時間、
全ての魔法が使用不能となります。なので『超』ほど便利には使えない感じ。


スキルツリーこと『オービィの木』についてですが、
不思議な生き物『オービィ』が住処?としていた神木で、
散り散りになってしまったオービィたちをステージ中に見つけて木に戻してやることで
スキルが解放される……というような設定。

ステージ選択画面からXボタンで木を表示し、
持っているオービィを消費してスキルを開放します。
スキルツリーなので、枝の先の方にあるスキルを開放するためには、
その枝に連なる根元に近いスキルをすでに開放している必要があります。
また先の方のスキルほど、必要になるオービィの数自体も多くなっています。
その代わり、一度解放したスキルを再度無効にして、
その分のオービィを手元に戻すこともできるので、
使わないスキルを無効化して別のスキルを開放したりもできます。


オービィは宝箱と同じようにステージ中の特定の場所を通過したりすると出ますが、
場所により逃げたりもするので、消える前に追っかけて捕まえなければならないことも。
既にオービィを取った場所でオービィを出すと、
代わりにオービィと同じ挙動の得点アイテム『ドルビィ』が出ます。


難易度設定について。
『伝説の騎士』から『見習い騎士』までの4種類の難易度があり、
一番最初のセーブファイルを作るときに選択できます。

一番難しい『伝説の騎士』が旧作と同様に一回の被ダメで鎧が壊れるモードで、
低い難易度ほど鎧の耐久力が高く、リトライポイントが多く、敵が少なくなるようです。
確認してませんが、『見習い騎士』は練習用のモードでクリアまで行けないとか。

本作は残機の概念が撤廃されており、死ぬとリトライポイントから再開ですが、
『見習い騎士』ではその場復活になるようです。

また、ゲーム中には同じ場所で何度も死ぬと、
難易度を下げてリトライする選択肢も表示され、
ステージをクリアか最初からやり直すかするまで限定で難易度が下げられます。


ゲームの進行について。
最初のステージが、初代魔界村1面をモチーフとした『墓場』と、
大魔界村の1面をモチーフとした『処刑場』のどちらかを選択できるようになっており、
どちらかをクリアすると次に進めます。
この2つの1面をまとめて『ゾーン1』と呼んでおり、
次の『ゾーン2』にも、初代2面と大2面をモチーフとした2つのステージがあります。

以降も旧作のリメイクステージを選択して進めていく……と思いきや、
ゾーン3以降はステージが一つずつになります。これはちょっと残念だったかな。


全5ゾーンで、通しプレイではなく毎回ステージ選択画面から選択して開始する形式。
到達したステージには何度でも挑むことができ、
ステージをプレイ中にポーズメニューからステージ選択に戻るのも自由にできます。
その場合、リトライポイントの旗まで到達していれば、そこから再開もできます。
なので、いったんステージを抜けてから魔法を装備しなおして途中から再開、
みたいなことも可能。もちろんステージの頭からもやり直せます。


変わり果てた姿で帰ってきた魔界村


というわけで、冒頭に書きました通り、難易度『孤高』で
一応のクリアまでプレイしましたが、いやはや何から言ったものかなあ……。



↑細かいようで結構プレイ感への影響が大きい部分だと思うんですが、
全体的にこちらが投げた武器に対する敵の判定が出るのが遅くて、
「見えてる敵に攻撃が当たってるのに素通り」が高頻度で発生します。
これやっぱツイートにも書いてるようにどうしてもテンポが悪く感じるなあー
……というのが最初に感じたことでしょうか。


f:id:bunaguchi:20210312204455j:plain:w400

↑難易度に関しては、過去作クリア済の人向けみたいな説明文の
『伝説の騎士』を最初に選んだんですが、
1面から尋常じゃない難しさで、早々に一段階下の『孤高の騎士』に変更しましたね。
それでも非常に難しく、元となった初代や大魔界村よりも明らかに厳しいと感じました。


パターンやセオリーでプレイ精度を高めて安定クリアを目指す……というような
アーケードゲーム的な楽しみ方は、不可能とまでは言いませんがかなりハードルが高く、
そういうプレイスタイルで楽しめるような内容にはなっていないように思います。


陰湿なトラップ、圧倒的な物量、いきなり目の前に湧く固い敵……。
そんな感じで、ゾーン2までのステージもあまり印象は良くないんですが、
まあ3面4面と比べるとまだまだ序の口だったかな……と。
3面と4面は、ちょっとなんというか、かなり苦行度が高い。

f:id:bunaguchi:20210312205252j:plain:w400
3面の暗闇エリア


3面開始直後、まず面食らうのが、敵が「見えない」こと。
アクションゲームについて、「視認性を下げることで難度を上げるのは面白くない」
というのはいろんなところで言われてるし私もそう思うんですが、
この3面前半はもう視認性が悪いを通り越して「見えない」んですよね。

ステージのあちこちにロウソクが配置されていて、
その火に攻撃を当てると火が消えて周囲が暗闇になるという仕掛けなのですが、
暗闇で見えない敵がいるのはもちろん、逆に「明るい場所で見えない敵」もいて、
そういうやつらが無節操に湧きまくるので、もう状況の把握が非常に困難。
見えない敵からいきなりダメージ食らう事態が多発します。

さすがにこれは、アクションゲームとしてアンフェア極まる……
と思うのは私だけでしょうか。


4面も開始直後が鬼畜。
背景や壁にある目玉を撃つと追加のザコ敵が召喚されるんですが、
その目玉がそこら中に配置されていて、敵を攻撃するつもりで武器を投げてると、
予期せず目玉に触れてしまってすぐに詰みみたいな状況になります。
特にレッドアリーマーが出ちゃうとほぼミス確定(今作のアリーマーはやたら強い)。
まあこれもちょっと、端的に言って面白くないのではと思いました。

アクションゲームはアクションするのが楽しいゲームなので、
もっと気持ちよくアクションさせてほしいなあ、と。
普通に攻撃してるだけで死亡確定レベルのペナルティが発生するのは楽しいのか?


というか、たぶんその「アクションするのが楽しい」のを求めること自体が
制作者との「解釈違い」で、このゲームではアクションよりも
「死にまくるのを楽しめ」というような設計思想がそこかしこに見え隠れ。

尋常じゃない高難度と公式のプロモーションの方向性とかも併せて考えるに、
従来のアーケードゲーム的な方向性を捨てて、実況配信の盛り上がりなどを重視した、
理不尽に死にまくるのを笑って楽しむ「死にゲー」系のゲームに近い作りと感じました。


逆に、そういう系統のゲームとして考えると良い出来……かどうかは、
私はその方面に明るくないので何とも言えず。
まあ私向けのゲームにはなっていなかったなと思う次第です。


武器やスキルについて、2周目以降について、
そして真エンディングの条件についても思うところはいろいろあるんですが、
キリがないのでこの辺にしておきます。


『若き騎士』を選ぼう


と、ここまで書いてから、試しに初心者向けを謳う『若き騎士』の難易度にして
少しプレイしてみたところ……
あっ、割と遊べそうな感触の難易度に落ち着いてますね!?


最後まで行ってないので確かなことは言えませんが、
『伝説』や『孤高』に比べると物量がだいぶ抑えてあり、
よほど旧作に近い感覚で遊べるように感じました。

むしろこっちの方が従来の魔界村ファン向けで、
『孤高』以上はひたすら死にまくりたい死にゲーファン向けという気が。


ですので、これからこのゲームをプレイする方で、
ちゃんと「攻略」するのを楽しみたいという魔界村ファンの方は、
難易度選択で「魔界村は初めてでしょ?」みたいなこと言ってくるのを華麗に無視して
『若き騎士』を選んだ方がいいのではないかと思います。


……もっとも、『若き騎士』は鎧の耐久力が高いおかげもあって
ある程度ゴリ押しできる場面も多く、これはこれで魔界村じゃないだろ感もあり……
やっぱりその辺を調整して残機制のアーケードライクに遊べるモードを
アップデートで追加してほしいなと少し思ったりもするのですが、
まあカプコンとしてはあんまりお金にならないだろうし難しいかな……。


というか私も、仮にそういうアップデートが来たとして、
もう一回プレイする気が起きるかと言われたら微妙というか……いやたぶんやるけど、
しかしそういうのをやるくらいならもう元の大魔界村をやってた方が楽しいのでは?
という気がするので、やっぱ追加しなくていいかもしれませんすいません。


と、いうことで……


大魔界村を遊ぼう


あらためて大魔界村をプレイしています。
このゲームの素晴らしさは今さら私が語るまでもないと思いますが、
今もって色褪せない最高の2Dアクションの一つ。
この軽快さ、テンポの良さが『帰ってきた』にも欲しかったなとつくづく思うところ。


https://www.capcom-arcade-stadium.com/ja/

大魔界村が収録されているカプコンアーケードスタジアムのPack1は
往年のアーケードゲーム10本入りで1500円。
Pack3までセットだと4000円かつ初代魔界村もついてくるという破格の安さ。


いろいろ言いましたが、帰ってきた魔界村も『若き騎士』なら
多くの人が楽しめる内容にはなっていると思うので、
カプアケと合わせて買って新旧を比較してみるのもいいかもしれません。

……と、適当にカプコンの回し者みたいなことを言いつつ締めます。
以上、帰ってきた魔界村についてでした。ありがとうございました。