ドラえもん のび太と妖精の国


スーパーファミコン
ドラえもん のび太と妖精の国」をプレイしました。
93年エポック社。開発は「酒田エス・エー・エス」という会社だそうです。



おなじみドラえもんのゲームです。
GB版とかサターン版は前にプレイしてましたが、
おそらく人気であろうSFCのシリーズにも手を出していこうかと。
SFCではドラえもんのゲームは4作出てまして、これはその一作目です。


いつもの空き地で野球をしていたのび太たち。
そこに「花の妖精」が現れ、妖精の国で怪物たちが暴れており、
女王ユリアスも城に閉じ込められてしまったと話し、助けを求めてきた。
ドラえもん一行は、妖精の国の危機を救うために
妖精の国へ行くことを決意した……が、そこへ怪物の手先が現れ、
謎の光線で一瞬のうちにのび太、しずか、ジャイアンスネ夫がさらわれ、
さらにはドラえもんひみつ道具まで奪われてしまった!

妖精の国に行くには、妖精の賢者が持っている
5つの「神器」の力が必要であり、それを手に入れるためには、
町のあちこちにある、賢者の住む世界への入り口を探して、
それぞれの神器を持っている5人の賢者に会わなくてはならない。

それを聞いたドラえもんは、失ったひみつ道具
取り戻すまでの武器として「聖水」を妖精から受け取ると、
のび太たちを助け出すため、そして妖精の国を救うために、
冒険に出発するのだった。


……というストーリーで始まるゲームとなっております。
ジャンルとしてはアクションアドベンチャーと言うべきかな。


のび太の町とその周辺がRPG風見下ろし視点の全体マップで
表現されていて、ここを歩き回って探索。
公園の砂場とか学校の花壇とかのオブジェクトが妖精世界への
入り口になっているので、そこからアクションステージへ突入できます。
ただしどの入り口も最初は入れないようになっていて、
入るためには各所のNPCに話しかけたり看板を読んだりして
情報を得る必要があります。
さらにステージによっては、他のステージを先にクリアして
特定のひみつ道具を取得していないと入れなかったりも。
全体マップには橋が壊れたり工事中だったりして
最初は通れない場所もあり、ここを通るためにも
フラグ立てやひみつ道具が必要になります。


アクションステージは一転して横視点の2Dアクション。
Bでジャンプ、Aで攻撃、Yでダッシュのオーソドックスなタイプ。
複数の武器を持っているときはXボタンで武器切り替え。
ジャンプ中にB連打で落下速度を少し遅くできます。
ダッシュは押しながら移動で速く動くスーパーマリオ式。
武器以外に踏みつけでも攻撃できることや、
自キャラの挙動にやや強めの慣性が働くのもマリオっぽいです。
攻撃とダッシュが別のボタンに割り当てられてますが、
オプションでキーコンフィグできて、これもマリオのように
同じボタンに設定することが可能。
一方で、設定できるのはABXYの4ボタンだけで、
武器変更にLRを割り当てられないのは少し残念。


武器は最初は花の妖精からもらった聖水だけですが、
特定のステージの途中にある宝箱から
新たな武器となるひみつ道具を入手できます。
ステージクリアで手に入るひみつ道具は基本的にフラグ立て用であり、
武器として使う道具は必ずステージ途中の宝箱から入手するようになってます。


武器以外のアイテムは、取ると一定時間敵を止めるタンマウオッチや
一定時間無敵化のドロン巻き物などなど、時間制限付きの
お助けアイテムがいろいろあります。
あとマリオで言うところのコイン的なアイテムとして
「クリスタル」がありますが、これは100個集めるごとに
ライフの最大値がひとつ増えるもので、死んでも減ったりはしないので、
ちょっとした成長要素というか救済措置というか、
プレイ時間が長びくにつれ体力に余裕ができて
クリアしやすくなるという、ありがたいシステムになっております。
アイテムは他に体力回復のドラ焼きと1UPハート、
そして隠しアイテムの「鈴」。これに関しては後述。


仲間がさらわれているので、ゲーム前半の操作キャラは
ドラえもんのみの一人旅。ゲーム後半、妖精の国に突入すると
ドラえもん以外の4人を操作するステージが出てきます。
ただしステージによって操作キャラは固定で、自由な切り替えはできません。
キャラによって微妙に性能差もあるようですが、
これもあんまり意識する機会はなかったかな……。


また、妖精の国まで来ると上述の全体マップを歩き回る要素は無くなり、
ステージを選択してアクションステージをプレイする形式になります。
基本事項はそんなところでしょうか。


本作、結構なボリュームがあるので、
通しプレイでクリアしようとすると結構時間がかかります。
パスワードで途中から再開できるのですが、そのパスワードは
ゲームオーバーにならないと表示されないというのが面倒臭い。
また、メッセージ速度が遅めな上に早送りやスキップもできないので、
NPCとの会話が若干じれったかったりも。この辺分かりやすい欠点ですかね。


しかしながら、アクションゲームとしてはなかなかよく出来ている……
いや別にアクションゲーム的に優れている点はあまりないんですが、
上記の通りクリスタルを集めるとライフ最大値が増えて
クリアしやすくなる点や、ダッシュジャンプやボタン連打でゆっくり落下などの
応用的な操作が必須な場面がほとんどないなど、全体的に親切さを感じる作りで、
子供をターゲットとした『ドラえもんのゲーム』としては十分以上の仕上がり。
落下死の多い場面や一部のボスなど、
子供向けとしては少し難しいかな?と思うところもありますが、
あくまで「少し難しい」であって、当時のファミコン少年ならば
頑張ればクリアは可能でしょうからね。
仲間を使い分けできない点や、妖精の国に突入するまで
ボス戦がないのは少し寂しいかなとも思いますが、
全体的には良作と言えるのではないでしょうか。


そんなわけで、ノーミスクリアまで達成しました。
アクションゲームに慣れた人がプレイする分には難易度は低めですが、
なにせボリュームがあるので、ノーミスを目指すと
それなりにパターン化が必要になってきますね。


武器は衝撃波ピストルが強い感じでしょうか。
正面に飛ばないので一見使いづらいかもしれませんが、
マリオランドのスーパーボール的な反射弾なので、
下方向はもちろんバウンドさせれば上空も狙えます。
連射もきくので一部ボス戦ではかなり役に立ち、
特にジャイアン面ボスの第二形態は、
目の前で連射するだけで動き出す前に瞬殺できます。
自動追尾のアタールガンも役に立ちますが、手に入るのが最も遅く、
追尾性能もほどほどだったりするので、そこまで頼りにはできない印象です。


最後に、隠しアイテムの「鈴」について。
アクションステージの怪しい場所に触れることで出現し、
取ると1UP。これが全部で12個隠されていて、
10個以上取ると攻撃力が2倍!になるようです。
一回だけ10個集めてみたんですが、当然ながらボス戦が
かなり簡単になりますね。ちょっと卑怯くさいので
ノーミスクリアは取らずに達成しました。


ドラえもんファンとして簡単にストーリーにも言及しておくと、
『花の妖精』とか『妖精の国』みたいな
ファンタジックな存在がオープニングからいきなり登場するのが、
良くも悪くもゲーム版なんだなあ、という感じ。
原作大長編なら、道具によって生じたパラレルワールド、とか
現生人類とは別に進化した種族、とかのSF的な
ワンクッションが置かれる設定ですよね……(笑)
ところどころツッコミどころがありつつも、
子供向けにメッセージ性のあるストーリーとか、
仲間が一人ずつラスボスと戦うラストの展開は良かったです。


あとBGMで、開発会社が同じGB版「対決ひみつ道具」から
あの名曲が使用されているのは、なかなか盛り上がる。
ラスボス戦もなかなかカッコいい曲。

書きたいことはそのくらいかな。いいゲームだった。
以上、ドラえもん のび太と妖精の国でした。