哲学議論 / Gravity Circuit

最近プレイしたゲームの感想。

哲学議論


哲学議論 - Dreal作品保管庫 - BOOTH
https://dreal.booth.pm/items/5432351


気が向いたらたまに進めるというプレイスタイルで
数か月ほど取り組んで(?)おりました『哲学議論』というフリーのノベルゲーム。
少し時間が経ってしまいましたが、最後までプレイしましたので感想を書いておきます。
この先軽いネタバレがありますので注意!



正しさとは何か。正義とは何か。
友人同士の口喧嘩をきっかけにそんなことを考えながら歩いていた主人公は、
道端で謎の女性と出会う。
その強引な態度や言動に振り回されつつも、彼女の導きに従って、
喧嘩を仲直りさせるために2人の友人と議論をすることになる。


……というのが第1話の導入。
これだけだとラブコメ的な話の印象を抱かれるかもしれませんが、
本作はどちらかというと「教養」の色合いが強め。


タイトル通り「哲学」「議論」についてのお話なのですが、
論理的なものの考え方や文章読解力といった、
いわば哲学や議論の土台部分から丁寧に解説する内容で、
過去の哲学者や哲学史には触れていないのが特色……なのだと思います。
その方面の作品にあまり触れたことがないので、多分ですが。



全4話。
哲学者であり不審者(?)のアマネさんが主人公とその仲間たちに
哲学や論理について解説するのがメインのような内容で、
哲学とは、議論とは……に加えて、
価値観多様性について、正義について、詭弁とは……
といった具体的なテーマが扱われます。

一部では高校数学相当の内容にまで踏み込むような話題もあり、
何かの学習教材に使えそうとも思えるような作り。


そんな感じで、このまま全編教養ゲーだけで終わるのかなーと
終盤まで読み進めていたのですが、最後の4話後半でお話が急展開。
ノベルゲーとしてちゃんと「物語」と「ゲーム」をやる展開になってくれて、
「そうこなくっちゃな!」とブチ上がりましたね(笑)

まあ最後まで教養でもそれはそれで良かったと思いますが、
ゲーム的/情緒的な楽しさがあるとゲーマーとしては盛り上がれるところ。

最後はお話も綺麗にまとまってくれて、気持ちよく終われました。


難点というか、私の理解が及ばなかったところも書いておくと、
やはり3話の正義の話がいまひとつ釈然としないというのが正直なところでしょうか。

秩序系とは何か、客観事実とは何か、普遍性とは……
みたいな重要っぽい概念や前提についての説明が端折られているような節もあり、
それはおそらく初学者(?)向けに込み入った説明は省いたのかなとも思うのですが、
だからこそ逆に分かりにくくなっているのではないかと思えるようなところもあり。


作中で繰り返される「主観と客観は独立」に関しても、
一般的にイメージされる「主観」「客観」の話というより、
「感情と論理は独立」くらいに捉えた方が理解しやすいように、
今のところは感じています。


それも含めてですが、全体的に用語の定義というか言葉の使い方などには
作者さん独自の部分が結構あるように素人ながら察せましたので、
これからプレイされる方は注意が必要かもしれません。

「内容は絶対に鵜呑みにせず、哲学って何かそんな感じなのかという
雰囲気を味わう程度のものだと云う事にご注意ください。」(readmeより)

とのことですので、教養ゲーとは言いつつ、本格的な学習というよりも
興味を持った人のための入り口という捉え方で楽しむのが無難そうです。


楽しませていただきました。ありがとうございました。

上記の釈然としない部分に関しては、
続編(?)の『正義論考』という作品が関連する内容になっているそうですので、
そちらもそのうちプレイしたいと思います。

Gravity Circuit


『Graity Circuit』もプレイしました。



Gravity Circuit - オーイズミ・アミュージオ
https://www.o-amuzio.co.jp/games/gravity-circuit/


Gravity Circuit ダウンロード版 | My Nintendo Store(マイニンテンドーストア)
https://store-jp.nintendo.com/list/software/70010000065713.html


Steam:Gravity Circuit
https://store.steampowered.com/app/858710/Gravity_Circuit/


昨年リリースされ、非常に高い評価を得ている2Dアクション。
一応インディーゲームのようですが、かなりしっかりした作りでボリュームもあり、
プロ制作のプロダクト(?)的な趣も多分に感じられます。

私がプレイしたのはSwitchのDL版ですが、パッケージ版もある模様。

グラフィックはゲームボーイカラーっぽい色彩


ロボットたちが暮らす世界。
数十年前、どこからともなく現れて世界を脅かした「ウイルス軍」が今再び出現。
それを率いているのは、かつて「サーキット」の力でウイルス軍と戦い
世界を救った9人の英雄のうちの8人だった。彼らはなぜ裏切ったのか?

時を同じくして、以前の戦いで傷つき機能停止していた英雄の最後の一人、
「グラビティ・サーキット」の力を持つカイが復活。
世界を危機から救うため、ウイルス軍と、そしてかつての仲間たちと戦う!


……というようなストーリーで、オープニングステージを終えたら
8人の「サーキット」がそれぞれボスとして登場する8つのステージを選択し、
全てクリアしたら最後の敵が待つ要塞(のようなもの)が出現して最終局面へ!
という流れの、ロックマニズム溢れる2Dアクションゲーム。


通常攻撃が近接パンチなのに加え、スピーディな移動と壁蹴りができる、
どちらかというとX・ゼロ系統のシステムですが、
それだけに留まらない独自要素もてんこ盛り。

フックショットを発射する遠距離攻撃もできて、
さらにそのフックで敵を掴んだら、持って投げて他の敵にブチ当てる!
これが高威力かつ爽快で楽しい。

フックは地形に引っ掛けてワイヤーアクションにも活用でき、
他にもボタンホールドによるダッシュと無印岩男風のスライディングが両方搭載、
しゃがみ、急降下蹴りと、多彩なアクションが可能です。


さらには、チップ、スキル、ペイントという3系統の装備品があり、
2段ジャンプや高威力の攻撃技、回復や無敵移動などなど、
ゲームを進めるにつれて自キャラの性能を幅広くカスタマイズできます。

一部のスキルは、ボスを倒して拠点に戻ってくると
ショップ(的なNPC)の商品リストに追加されていて購入可能になるシステム。
いわばロックマンにおける特殊武器のような扱いですが、
逆に言うとボスを倒してもショップで買わなければ使えないという点が
本家ロックマンなどと異なる点。弱点武器のような概念もないようです。


残機制はなく、チェックポイントから何度でも復活できます。
針や溶岩は即死ではないものの、当たると自キャラが一度爆散して
近くの足場まで戻されるので、通常のトラップよりは厄介な扱い。



一通りプレイしましたので感想。

強力かつ豪快な投げと、各種スキルや特殊アクションを駆使して進んでいくのが楽しく、
アクションの手触りや効果音などの演出も抜かりなく、
流石は最新高評価アクションといった感じで面白いです。


ダッシュの操作はデフォルトではZLボタン押しながら移動ですが、
オプションで常時ダッシュに設定でき、個人的にはそちらの方が
スピーディーで爽快なのでその設定でプレイしてました。


ゲーム開始直後の初期状態だと難しいですが、隠されたアイテムの取得や、
拠点で買える装備品などで適切に自キャラを強化することで難易度はぐっと抑えられ、
そのあたりの勝手が分かれば多くの人が楽しめるようになっている印象です。
少なくとも難度ノーマルでは。


装備の入手には軒並みお金が必要ですが、
普通にステージを攻略してるだけでも資金に困るようなことはなく、
チップとスキルは豊富な種類が用意されていて、
自分に合ったカスタマイズで楽しめます。


ステージでNPCを救出していくと拠点に仲間が増えて賑やかになっていったり、
そういう部分でも楽しい作りでした。

アクションゲームなのでそこまで複雑なストーリーではないですが、
主人公カイの過去や謎の人物ネガの正体、そして「サーキット」の出自など、
後半からエンディングにかけては物語的にもなかなかの盛り上がりを感じましたね。

デモにおいても立ち絵やキャラドットの細かい動きなどが作り込まれていて、
ストーリーの盛り上がりを後押ししている印象。


図鑑コンプリート要素やチャレンジ(実績)、
クリア後に解禁されるモードなどのやり込み要素も豊富。楽しませていただきました。


気になった点としては、スピーディーなアクションが楽しいゲームなのに
結構厳しい配置やトラップが多めで、寄り道してアイテム回収やNPCを救出といった
要素もあるので、ある程度慣れても駆け抜けるようなプレイは難しく、
そのあたりに若干の噛み合わなさも感じなくはないかな。

最近のアップデートで追加された、
ステージ構成が上級者向けに変更されるモード(ゲームMOD)では、
そこら中に針を敷き詰めるような難易度の上げ方がされていて、
上級者向けとはいえシステムと噛み合ってない感がより強いように思えます。


全12ステージですが、一つのステージがだいぶ長い上に
ボスも2ゲージあるのがデフォで結構時間がかかり、
普通にプレイすると一周2時間くらいはかかるので、
オールドゲーマーとしてはそこも疲れるというか、「重い」と感じるところ。
まあこれはゲーム側じゃなくて私の問題だと思いますが……(笑)

気になったのはそのくらいでしょうか。

ライドアーマーに乗ってジャンビッグもどきと戦う


↑2Dアクションを嗜む者としては、どこかで見たようなデザイン・挙動の敵の多さと、
一部のステージで乗れるまんまライドアーマーな搭乗メカあたりには
やはりツッコミを入れておくべきかな(笑)
ロックマンシリーズ経験者ならそういう部分も楽しめます。


攻略に関しては、Steamのガイドや、あと日本語の攻略ページもあるようなので、
収集要素コンプなどに詰まったら適宜参照するのが吉。
私も一部のパレットチップの場所とデータチップの取り方でお世話になりました。
ありがとうございます。


本作は全体的にボスが強めなので最初は難しく感じると思いますが、
市街地ステージのボスだけは壁蹴りしてればほとんどの攻撃を回避可能で、
ボスが止まってるときに壁から跳んで急降下蹴りを繰り返せば勝てます。
少なくとも通常モードのノーマル難度では。
ですので最初に市街地ステージをクリアし、拠点に戻ったら
そこで得た金で防御系のチップを買うのが個人的セオリー。


ボスは攻撃の予備動作が短い上にランダム要素強めなやつが多いので、
ゲーム全体のボリュームもあって縛りプレイなどはかなり難しくなると思います。
ロックマンでバスターオンリー・E缶不使用・ライフアップ未取得とかに
こだわる人はそのへん覚悟が必要かもしれません。


私はそこまでやり込んでいませんが、チャレンジのコンプと、
縛りなしのハードモードでノーデスクリアくらいは一応達成できました。
ハードの終盤は、敵の攻撃をすり抜けられるスキル・チップや
回復できるスキルなどを使わないとさすがに厳しい印象です。


以上、Gravity Circuitについてでした。良いゲームだった。