ミスティックウォリアーズ

『ミスティックウォリアーズ』をプレイしました。
元は93年コナミアーケードゲームですが、長らく家庭用への移植がなく、
昨年末にアーケードアーカイブスでついに待望の初移植!
私がプレイしたのはSwitch版です。


アーケードアーカイブス | 株式会社ハムスター
http://www.hamster.co.jp/arcadearchives/switch/mystic-warriors.htm


アーケードアーカイブス ミスティックウォリアーズ ダウンロード版
https://store-jp.nintendo.com/list/software/70010000060031.html


システム的には『サンセットライダーズ』の実質的な後継作のような位置づけの
作品ですが、細かいところで色々と違いもあります。

昨年アケアカのサンセットライダーズを初プレイしてその出来の良さに驚嘆し、
ミスティックの方も移植お願いします!って記事に書いたら
直後にアケアカでのリリースが発表されて歓喜したのが記憶に新しい。



「早くも爆発的ヒット!!」などとゲーム内で自分で言ってるタイトルデモの後、
クレジットを投入すると「ニンジャァ」と威勢のいい掛け声。


正座した五忍衆から使用キャラを選ぶと丁寧なオジギ。
直後、頭に★をつけた敵忍者が登場!仲間の一人をさらっていってしまう!
奴らは機甲忍者軍団を操り世界征服を狙う巨大企業『SKULL』の一味だ!
コォジロォーーー!!!
追え!さらわれた仲間を取り戻せ!決着をつけるのはキミだ!!


という流れで1面が始まり、以降全編このノリ!
当時の「海外作品に登場するいろいろ間違った日本」を意図的に演出された、
疾風怒濤のニンジャ・アクションが幕を開ける!!!



操作は方向入力で移動としゃがみ。ボタンはジャンプと攻撃。
[斜め下+ジャンプボタン]でのスライディングと、
[上下入力+ジャンプボタン]で上下の足場に移動する特殊ジャンプ(無敵時間つき)
が出るのはサンセットライダーズと同様ですが、
ジャンプで壁に張り付いて壁を昇り降りできるアクションが追加されています。


攻撃は基本的に手裏剣を投げますが、敵が近くにいる場合は近接攻撃になります。
手裏剣は8方向に撃ち分け可能。一方、近接攻撃は、
立ちニュートラル・立ち横方向入力・しゃがみ・空中
の4パターンあるようですが、意識して使い分けが必要な場面は少ない印象。
それと、近接攻撃は「敵の通常弾をかき消せる」のも憶えておくと吉。

プレイヤーキャラは5人ともそれぞれ攻撃の性能が異なります。
手裏剣は分かりやすく違いますが、近接攻撃も判定や出の早さが微妙に違います。


他にサンセットと大きく異なる点がライフ。
今作はデフォ設定で3ポイントのライフ制となっており、
道中に回復アイテムも配置されています。テンプラ、スシ、ウドン。
一方でステージクリアでは回復しないのが当時のアーケードゲームらしい厳しさ。
ライフに加えて普通に残機もありますが、エクステンドはありません。


アイテムは他に、攻撃を2段階までパワーアップできる手裏剣アイテムと、
取るとバリアを張って一定時間無敵になる「忍」アイテム、
取ると「ニンポォ!ジゴク!オクリ!」などと叫び(キャラによって台詞が異なる)
画面内の敵が全滅する「力」アイテムなどがあります。


あとは、サンセットライダーズには扉に入ってアイテムを取ったり、
射的のようなボーナスゲームといった要素がありましたが、今作にはどちらもなし。
敵を倒しながらひたすら突き進む横スクロールアクションとなっています。全9面。



そういうわけで、一通りプレイしたので感想を書きますが……
いやはや、とにかく全体的なクオリティの高さがすごい。


軽快な操作性や序盤の遊びやすさはサンセットライダーズから引き継がれていますが、
ある程度現実的な西部劇テーマだったサンセットと異なり、
ニンジャとSFの合わせ技の本作は、街中、雪山、水中、飛行機の背中などなど
ステージ構成のバリエーション豊か。

強制スクロールのシーンが多めですが、
スキー履いて雪山滑降、イカダに乗って川下り、トロッコで爆走と、
これも多彩なシチュエーションで楽しませてくれます。


世界観的にも、勘違いニッポンNINJAゲーとして
これを超えるものを作るのはもう無理なんではないかと思わされるほど
演出や表現が極まっており、拙作『スーパーシャドーブレイク』など
全く足元にも及んでないということを早々に思い知らされましたね……(笑)

上述の[オープニング→キャラ選択→1面開始]の時点でアクセル全開なのですが、
直後の1面中ボスの撃破演出、さらにボスの登場演出でも
テンションが落ちることなく凝った演出をぶちかましてくれます。


さらに特筆すべきは6面ボス戦での展開。バカゲーなのにめちゃめちゃ熱く、
もともと強烈なこのゲームをより一層忘れがたいものにしています。
バカゲーでもバカなまんまシリアスをやれるし、
バカとシリアスは排他的でなく同居できるということの見事な証明(?)
詳細は書かないので是非プレイして確認していただきたい。


あと全体的に音楽が良すぎる。これもただ曲が良いだけではなくて、
それぞれの場面とバッチリ合ってるがゆえの盛り上がりなので、
巧みな演出の妙といった感じで素晴らしい。



ライフ制にはなっていますが、中盤以降はだんだん適当な攻略が通用しなくなり、
しっかりパターンを作らないと安定突破が難しくなっていく硬派さも備わっていて、
特に後半の6面、8面、9面の道中の厳しさは緻密なパターン化必須に感じます。


非常に面白いのですが、9面の強制上スクロールエレベーターだけは
さすがにやり過ぎ感があるかな……(笑)
火の矢を撃ってくる敵忍者への対応が非常に難しい。


ボスはサンセットほど強くはないやつが多い印象ですが、
6面ボスだけは例外で、シビアなガチ避けが要求される驚異的な強さ。
上記の通り熱いシチュエーションなので弱かったら台無しなのは分かるのですが、
6面は道中も難しい上に回復アイテムが出ない(一回死ぬとボス戦中に出る?)ので、
実質的にここがワンコインクリア最大の障壁だと思います。



ということで全キャラでノーコンティニュークリア達成までやりました。
ケイマとブラッドではノーミスクリアも達成。

やはり6ボスと9面のエレベーターが上記の通りの厳しさなので、
クリアには運も絡む印象で、そこはバランス的にちょっとどうかという気もするかな。


とはいえ、サンセットライダーズの記事にも書きましたが、
「昔のコナミは凄かった」を体現しているゲームで、まごうことなき傑作。
非常に楽しませていただきました。


以下、攻略メモ。



3面ボス戦。少なくとも自分のプレイしているSwitchアケアカ版では、
開始直後に何故かこちらの連射速度が遅くなるという、
バグなのか元からなのかよく分からない現象が発生するが、
大抵はジャンプ攻撃すると解消される?ようなので、
ボス戦開始と同時に攻撃ボタン押しながらジャンプすべし。

このボスは機体下部の魚雷ランチャーを早く破壊すると楽なのだが、
開始直後にジャンプ攻撃すれば近接攻撃がランチャー部分に当たってくれて
早く破壊できるので一石二鳥。


4面道中のイカダ強制スクロールは、パターン化必須で最初の壁的なステージ。
バイクの敵は出現する位置・タイミングを憶えて即撃破するようにしないと厳しい。
水に入ってもダメージを受けたりはしないので、それ前提でパターンを作ろう。
特に攻撃範囲の狭いユリの場合は、前半は近接攻撃を駆使して
流れてくるザコを右端で速攻処理するのが楽か。

ユリ以外でも、中ボスの大型車は出現前に画面右端で左下に撃ちながら待ち、
出現後もその位置にいれば敵弾を消しながら近接攻撃を連続で叩き込める。
ボスが近接攻撃の当たらない位置まで離れたら、
あとは追いかけて少し撃てば倒せるはず。


難関の6面道中。
最後の砲台トロッコは、出現前に画面左端に移動して下に撃ちながら待ち、
一台目のトロッコを出現直後にさっさと破壊しつつ右に逃げ、
残った一台から来る弾をタイミングを見て左に跳び越える、のが良さそうか。

ただし未パワーアップか使用キャラがコジローの場合は、
火力不足で砲台トロッコの破壊が間に合わずこの方法では弾幕を抜けられないので、
近接攻撃で右から来るザコと一緒に敵弾を斬って弾消しするという曲芸が必要になる。


法外な強さの6面ボス。
スライディングで敵弾を避けながら、まずは左右の砲台を優先的に攻撃。
砲台の復活回数は有限なので、壊してればそのうち出てこなくなる。
片側だけでも砲台が出なくなればかなり楽になる。
両方壊すかどうかはキャラ性能やプレイヤー自身の回避スキルと相談。
片側だけ壊したらさっさと本体を狙った方が楽な場合もある。

ブラッドかコジローならボス本体にジャンプ近接攻撃が当たるので弾消しも可能だが、
パターン化できるわけではないのでそこまで楽にはならない印象。
隙を見て当てにいけば有利に戦えるとは思うが、どのみち慣れが必要。


終盤の8面9面はザコの配置を憶えてしっかりパターン化しないと突破は困難。

8面の中ボス直後にある橋は、右下に撃ちながら歩けば
橋の下から槍で突いてくるザコを倒しながら進めるが、
橋の真ん中あたりまで行ったらいったん左に戻らないと、
画面外から飛んでくる迫撃砲兵の砲弾の餌食になってしまう。



↑9面の、凹型の地形に毒ガスがたまるトラップは、
ガスで満たされた状態になっても、左側の壁の一番上に張り付いて
右にジャンプすれば右の壁のガスに触れない高さにギリ届いて無傷で抜けられる。
方向入力を右上に入れてから一瞬遅れてジャンプボタンを押すのがコツ。


ラスボスは、ここまで来れた人なら少しの練習で問題なく倒せるはず。
第三形態の誘導弾は一見回避困難だが、
実はプレイヤーの位置から少しズレたところを狙っている?のか、
ボスの真下から動かずにいればほとんどの弾は逸れてくれる。
なので、下段でボスを追いかけて真下から撃ち続けるべし。
誘導弾が去ってからボスを追っても大抵は次の弾を撃たれるまでに間に合うので、
ボスが動いても画面内に誘導弾が残っているうちは下手に動かない方がよさげ。


以上、ミスティックウォリアーズについてでした。
良いゲームだった。