ザ・ニンジャウォーリアーズ ワンスアゲイン

最近プレイしていました
『ザ・ニンジャウォーリアーズ ワンスアゲイン』について書きます。


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https://www.taito.co.jp/tnwoa
https://www.natsumeatari.co.jp/tnwoa/


7月25日にSwitchとPS4のダウンロードソフトとしてタイトーから発売。
SFCで94年に出た『ザ・ニンジャウォーリアーズアゲイン』のリメイク作品。
そのSFC版も元はAC版『ニンジャウォーリアーズ』のリメイクでしたので、
今作はリメイクのリメイクというちょっとややこしい位置づけの作品です。
SFC版を開発したナツメから2013年に社名変更(というか他の会社と統合)した
ナツメアタリが企画・開発を担当しており、当時と同じメインスタッフの
「TENGO PROJECT」による、25年ぶりの渾身のセルフリメイク、
というのが売りのひとつのようです。


一通りプレイしましたが、画面が広くなってキャラや
技が追加されてるほかは予想以上にSFCに忠実な内容で、
リメイクというよりアップグレード版のように感じました。


ストーリーもSFC版とほぼ一緒。
リーダー『マルク』率いる革命軍に造られた忍者モチーフの殺人アンドロイドたちが、
独裁者『バングラ―』を打倒すべく、最後の暗殺作戦に出撃する!という内容。
プレイヤーキャラが増えたので、SFC版のオープニングで「3体のアンドロイド」と
書かれてたところが、「3体の」が削除されて人数がぼかされてるのが唯一の違い。


ゲームシステムもだいたい同じ。
基本的にベルトアクションと同様の流れで進む2Dアクションで、
任意スクロールでザコを倒しながら先に進むとスクロールが止まって
敵が数体出現し、パンチキックや多彩な体術を駆使してそれらを倒すと
スクロールが再開。少し先に進むとまたスクロールが止まって敵が出現し……
という繰り返しで進んでいき、ステージ最後のボスを倒すとステージクリア。
ただしベルトアクションとは違って「奥行き」の概念はなく、
通常の2Dアクションと同様に全編サイドビューで展開するのが特徴。
プレイ感覚とかはまさにベルトアクションのそれで、いわば
「奥行きのないベルトアクション」のようなゲームです。


画面下には体力の他に時間経過で溜まるゲージがあり、
ボムや一部の必殺技(チャージアタック)で消費。
満タンまで溜まらないうちに敵の攻撃を受けてダウンするとゲージはリセット。
右下のタイムの仕様だけSFC版から変更されており、制限時間はなくなって、
ステージクリアまでの時間をカウントアップするようになってます。
ノーコンでオールクリアするとタイムが記憶されてオンラインランキングに載るほか、
ステージごとのタイムアタックも用意されており、こちらも個別にランキングあり。
残機なしの体力制。コンティニュー時に使用キャラを選びなおせます。
全8ステージ。


操作方法。
左スティックか十字キーで移動としゃがみ、Yで攻撃、Bでジャンプ、Aでボム。
まあSwitchなので正確には「十字キー」ではないし、
コントローラの使い方によってはボタンの名前も変わりますが、
要するにこれもSFC版準拠になってます。


あとは上記ボタンの組み合わせにより、キャラ固有の様々な技が出せます。
上+Yで「チャージアタック」というゲージ消費技(技の内容はキャラにより違う)
が出るのは一応全キャラ共通。このチャージアタック、
SFC版ではゲージ満タン状態でY連打の連続技中に押すと
最後の一撃が変わるだけだったんですが、今回はそれ以外の時に押しても
別の新技が発動するようになってます。キャラによっては空中でも使用でき、
連続技中・立ち状態・空中と、3種類のチャージアタックが使えたりも。


他には、Y押しっぱなしでガードできるのと、その状態でBで
前方の攻撃をガードしつつ前ジャンプする「宙返り」ができるのが共通仕様。
あとカマイタチとライデン以外は歩いて敵に接触すると敵を掴み、
そこから数種類の投げ技が使えます。
カマイタチは掴み状態がなく通常攻撃からの派生で投げる。
ライデンは掴み自体がチャージアタック扱い。


使えるキャラは全部で5人。
「クノイチ」「ニンジャ」「カマイタチ」はSFC版と同様で、最初から使用可能。
SFC版にいなかった追加キャラはエンディング到達により解禁されるようになっており、
「ヤシャ」は1回、「ライデン」は2回エンディングを見る必要があります。


「ヤシャ」は小柄な女性型アンドロイドですが、その小ささに反して
特に動きが素早いということはなく、ジャンプも低くて基本性能は高くないのですが、
両腕が「伸縮自在のフレキシブルアーム」(公式より)になっており、
それを駆使して離れた敵を掴んだり、はたまた地面を掴んでハイジャンプや移動技など、
トリッキーな立ち回りが可能。浮かせた敵に追撃もしやすく、
テクニック次第でかなり「魅せる」プレイの出来そうなキャラです。


そして「ライデン」は……まあ画面見れば一目瞭然ですが、
規格外のパワーを持つ巨大ロボ。こいつだけ別ゲーのよう。
それだけで十分に個性的なんですが、さらに銃撃メインで非人間型の
「ブラスターモード」という別形態に変形可能。
豪快に敵を殴る巨大ロボ!さらに変形して銃撃ちまくり敵を蜂の巣!
という男のロマン溢れるキャラになっております。
一方でそのクセの強さも規格外。その巨体ゆえ「敵の攻撃をかわす」ということが
非常に困難であり、また動きも非常に鈍重で、振り向くのにすら専用の操作が必要。
他のキャラとは全く異なる立ち回りを要求されます。


基本的な説明は以上。
それで、前の記事で「難易度ハードで全キャラノーコンクリアしたい」
って言ってましたが、めでたく達成いたしました。ふーーー良かった。


感想ですが、まあ今さら私が言う必要もないと思いますが、なかなかの良作。
プレイ感覚はSFC版「アゲイン」をよく再現していて、
次々と現れる敵をビシバシ殴り倒し斬り倒し投げ倒し進んでいく
不死身の殺人マシーン気分を存分に堪能できます。
……いや言いすぎかな。それなりに難しいゲームなので、
不死身のマシーンになりきるには、システムの理解といくらかの鍛錬が必要。
その辺も含めて、これはたしかに「アゲイン」だ、という感想を抱きました。
硬派なゲーム性を当時から変わらず継承している。


そしてその上で、背景もキャラもよりハイクオリティなドット絵に描き直され、
新技の追加や既存技の調整、それらをうまく使うと
投げ技で空中に浮かせた敵に追撃できたりなど、今の時代に合わせたアレンジが
施されており、単に古いゲームを再現しただけじゃない、
あの名作を今「もう一度(once again)」という、スタッフの気概を感じる出来。


ということで間違いなくいいゲームなんですが、
新キャラのライデン周りはちょっとピーキーすぎる感があるなーということと、
ゲーム内のマニュアルがどう考えても情報不足なことが、少し気になりました。


ライデンは鈍重なのはいいんですが、操作を受け付けないタイミングが多くて……。
あと小さくて鉤爪をつけてるザコへの対応が難しく、こいつに懐に入られると
ボコボコにされるのがなんとも。どうもこいつに懐に入られた場合、
有効な打開策が「ない」っぽいんですよね。それはちょっとどうなのか、という。
他の敵なら、殴られてダウンしても、腕をぶん回す『旋回鎚』という技を
起き上がりと同時に放てば薙ぎ払えるんですが、小さい敵には旋回鎚が当たらない上、
この鉤爪の敵はぴょんぴょん左右に跳ねてダウンしてる間に背後に回ったりするので、
そうなったらとっさに振り向けないライデンではお手上げ状態。
ライデンでのプレイは、慣れると最初から最後まで
この爪ザコをいかに寄せ付けないかの戦いになります。


それからライデンは変形のコマンドが「下+ジャンプと攻撃同時押し」なのも、
ちょっとやりにくさを感じる。
少ないボタン数で操作できるような操作系になってるのは分かるんですが、
さすがにこういうキャラは、使うボタン増やしてLRとかで変形させてほしかった。
振り向きも「十字キー後ろ+ジャンプボタン2度押し」だし、
やっぱりボタン減らすためにかえって操作が大変になってるのは本末転倒かなと。


ゲーム内のマニュアルに関しては、オプションから見れるんですが、
カマイタチの掴みの仕様が他のキャラと異なることに触れてない、
というか「敵に接触すると掴む」という説明自体がない。
載ってない技もありますし、格ゲーのインスト程度の情報量。
いや格ゲーの方をよく知らないので、多分ですが。
実際アーケードゲームのインストを意識してる部分はあるんじゃないかな。
すでに基本を分かってる人が対象というか。


それからこれは完全に好みの問題だと思いますが、
予想以上にSFC版に忠実なリメイクだったので、
もうちょっと大胆に手を入れてくれても良かったかなー、などと思ったり。
特にザコの種類はもっと増やしてくれても良かった。
今回新規で追加されたザコは空中から銃撃してくるドローンみたいな敵1種類のみ。
終盤はザコが大量に登場しますが、同じ敵ばかりなので
慣れるとさすがにちょとダレるな、とはSFC版当時から思っていたところ。


気になったのはそのくらいかな。
あとここまで書きそびれてたポイントとして、SFC版にはなかった
2人協力プレイが実装されておりますが、例によってプレイできてないのでなんとも。
あとBGM。SFC版の雰囲気そのままにアップグレードされたデフォ曲の他に、
AC版ニンウォリの曲や、SFC版そのままの曲にも変更可能。(クリアによって解禁)


ライデンについてはいろいろ書きましたが、別につまらないということはなく。
Bでジャンプのかわりに出る踏みつけで敵をズシズシ踏みながら進み、
長いリーチと高い攻撃力でガンガン敵を倒せます。
1面ボスのギガントはSFC版と比べて巨大になってて、
他のキャラだと掴めないんですが、ライデンなら豪快にぶん投げられます。
高性能のしゃがみ攻撃と旋回鎚で敵を薙ぎ払って寄せ付けないような
プレイを心がけて、あとは爪ザコをうまく捌ければラストまで行けます。


それからもう一人の新キャラのヤシャも、使っててとても楽しいキャラ。
十字キー上を入れながら敵を投げると、敵を連続で蹴りながら前方に大きく
跳び上がるので、それで敵を倒しつつ他の敵を上空から奇襲できるのが楽しい。
敵を浮かせて落下地点にスライディングで追撃したり、
コンボ前提で作られてるような動きが多くて、ちゃんと今の時代に合わせた、
他のキャラにはない楽しさがあると思います。


あとカマイタチは今回も安定の基本性能の高さですが、
新技のチャージアタック2種がどちらも対空技なのが興味深い。
敵を浮かせて使うのはもちろん、新ザコのドローンを墜とすのにも活躍してくれます。


ニンジャはチャージアタックのヌンチャクが使いやすい。
これも対空性能が高いのでドローンを墜とすのに使えるほか、
敵のガードを無視して当たるので、対ゴーレム(背の高いロボ)にも心強い。
あと画面端で画面外の敵に向かって打つといろいろ捗る。


クノイチはもともと扱いやすいキャラでしたが、今回画面が広くなったのに
合わせてか、飛び道具の手裏剣がチャージアタックとして追加され、
敵を遠くから攻撃できるようになったのでさらに戦いやすくなった感。


そんなところでしょうか。
書きたいことはだいたい書いたかな。とても楽しいゲームでした。
カマイタチでしかノーコンクリアできなかったSFC版の借りは返したぜ……。
以上、ニンジャウォーリアーズ ワンスアゲインについてでした。