ポケットザウルス 十王剣の謎

ファミコンの『ポケットザウルス 十王剣の謎』をプレイしました。
87年発売、バンダイのゲーム。


f:id:bunaguchi:20190204193340j:plain
f:id:bunaguchi:20190204162005j:plain


2001年、名人ハシモトは、悪の時空大帝サラマンダーの魔法により、
恐竜の姿に変えられてしまう。サラマンダーを倒して元の姿に戻るため、
タイムカプセルに乗り込み、ハシモトは時空を超えた冒険に出発するのだった……。


……というストーリー(要約)で始まる2Dアクションゲームです。
ファミコン全盛期、当時人気だったハドソンの高橋名人に続く形で、
各社から「名人」が擁立されたそうですが、
本ゲームの主役である「橋本名人」もその一人。


さらに、本作は当時バンダイが展開していた『ポケットザウルス』という
恐竜型の文具(というか玩具?)シリーズのゲーム化でもあり、
さらにさらに、当時のファミコン関連雑誌で読者から
イデアを募集して制作された、という経緯もあるようであり……。
なんだか、当時のバンダイ内の色々な部署の思惑が重なって生まれた
キメラのようなゲームという印象を受けますね。恐竜どころかモンスターや。


ゲーム内容は、全5面の2Dアクション。
最初の『恐竜島』ステージをクリアすると、以降は
『妖怪魔境』『未来都市』『エジプト』の3つのステージを
ランダムな順番で攻略することになります。それらをクリアすると、
最終ステージである『神々の時代』に挑むこととなり、
そこもクリアしたら、ラスボスであるサラマンダーと対決。
倒せばめでたくエンディングとなります。
タイトル画面で『ボクモード』と『パパモード』が選べますが、
パパモードの方が少し簡単なモードのようです。
残機・ライフ併用制。得点を3万点稼ぐごとにライフが一定量回復しますが、
残機はアイテムを取らないと増えません。


各面のボスが「十王剣」を持っていて、ラスボスのサラマンダーを倒すには
それらを手に入れないといけないのですが、まずステージ途中で
中ボスを倒して4つのアルファベットによる「暗号」を教えてもらい、
ボス撃破後にそれを入力すると、ラスボスの倒し方のヒントとともに
十王剣がもらえる……という、若干面倒なシステムになっております。


ちなみに、ラスボスのサラマンダーとは、ゲームの最後まで行く以外にも、
ゲームオーバーになることで戦うことができるという
珍しい(というかおそらく唯一無二)のシステムが採用されておりますが、
ゲームオーバー時の対決では、十王剣が5本揃っていないため絶対に勝てません。
よく分からない要素ですが、上述の雑誌読者からアイデアを募集したという
制作経緯と関係があるんですかね……。
本ゲームは他にも、ゲーム進行中に画面下にリアルタイムで
敵のセリフやメッセージが表示されたり、ステージ中で何の脈絡もなく
いきなりクイズが出題されたり(正解するとスコアアップ)と、
もう本当に意味が分からない要素が満載で、
なかなかハイレベルな奇ゲー・カオスゲーっぷりを見せてくれます。
各面のボスの倒し方なども、普通に正面から通常攻撃して倒せるのは
最初のブラックザウルスくらいで、全体的に謎解き要素が多め……
というか、全体的に理不尽な要素が多い印象です。


操作方法は、基本的にAでジャンプ、Bでブーメランを投げて攻撃という
オーソドックスなもの。上+Bで真上にも攻撃できます。
アイテムのフラッシュを持ってる時は下+Bで使用。
また、下+Aを押すと一部の足場から降りることも可能。
いくつかのステージで、タイムカプセルに乗り込んで戦う
シューティングシーンがありますが、その時は
Bで正面にショット、Aで対地弾という操作になります。
スタートボタンでポーズ。持っているアイテムの数はポーズ中に確認できます。


アイテムについて。
『ボトラノドン』という名前のアイテムカプセルが、
ザコを倒すと出てきたりステージ中に配置されていたりしますが、
これに触れるとアイテムが出現します。


フラッシュは画面左上に3つまでストックされ、
使うと画面全体にダメージを与える、いわゆるボム。ただしボスには無効。
ダイヤは本作における通貨のようなもので、アイテム部屋に入ったり
1UPを取るのに必要となります。
?マークは、持っておくとステージの所々でヒントが出る。
1回のヒントで1個消費するようです。
Hマークは体力全回復、2倍マークはしばらく獲得スコア2倍。


あとボトラノドンから出るのではない、普通に配置されてるアイテムとして
1UPとCマークと靴マーク、それにスーパーシールドがあります。
1UPはダイヤ5個と引き換えに残機アップ。
ダイヤが足りてないと触れても取れないので注意。
Cマークは、取っておくとゲームオーバー後にその面の頭から再開できます。
靴マークは取るとしばらく高速化。ゲーム中1個しか出てこない。


スーパーシールドは攻略上重要で、取ると主人公が強化スーツを装備します。
武器がスピードアップ&3連射となり、だいぶ戦いやすくなります。
また、取った瞬間に体力が全回復するので、固定の回復アイテムとしても重要。
ダメージを受けて主人公の体力が少なくなるとパワーアップは解除されます。


基本的な説明は以上。
で、一通りプレイした感想ですが、まあ……端的に言ってしまうと、
「単純にアクションゲームとしての面白さが今ひとつな上に、
アクションとは別のところでも難易度がキツい」という、
アクションゲーマーにとってはだいぶ辛いパターンでしたね……。


まずアクションゲームとしてですが、基本攻撃であるブーメランが、
妙に当たり判定が小さいようで、どうにも当てにくいのが
面白さを削いでいるポイントだと思います。
グラフィック上はどう見ても当たってるのに当たらないことが多く、
慣れるまでは苦労させられます。
敵の挙動や配置などもあまり練られているとは言い難く……。


あと、主なアイテムの入手手段である敵から出るカプセルですが、
「敵からアイテムカプセルが出て、それに触れるとアイテムが出る」
っていうのが2度手間感があって、少し面倒。
直接敵からアイテムが出るんじゃダメだったんですかね……。
ついでに、カプセルから敵が出ることがあるのも鬱陶しいかな……。


謎解き方面でも、なんというか……
ボス撃破後に暗号で教えてもらえるヒントがあまりヒントになってないし、
そもそもボスの倒し方も前情報なしでは分かり辛く、
分かったとしても当たり判定が分かり辛かったり、
ボスのリアクションに乏しくてダメージ入ってるのか不安になったりと、
あんまり面白くない形で難解さが上がってるところが多いように思います。


一応良かった点も挙げとくと、空中を飛んでる敵を撃ち落とした時に、
落下する死体に下の水面にいる敵を巻き込むと
一緒に倒せて高得点が入ったりするのはちょっと楽しかったかな。
あとなんだかんだ言って、数々のカオス要素も
一見の価値アリ……かもしれない。1面ボスの背景とかすごいぞ。


攻略についてですが、ネット上にいくつか攻略ページがあるようですので、
これからプレイされる方は無理せずそちらを参照しながら挑まれた方が
よいかと思われます。いや本当に、ノーヒントでは無理ゲーなので……。
私も攻略ページを見ながらクリアしました。さすがに。
以下、自分で気がついた攻略ワンポイントを書いておきます。


未来都市ボスのバグ大王は、攻撃を受け付けるタイミングが限られてますが、
とにかく下から攻撃を連打しましょう。運が良ければすぐ倒せます。
倒すと同時にザコをばら撒いていくので、倒しても気を抜かないように。
残ったザコを全部片付けないとステージクリアになりません。


アイテムのフラッシュは、けっこう頻繁に手に入るので、
割とガンガン使っても大丈夫ですが、エジプト面でだけは
節約を心がけ、常に一個は残しておくようしたいところです。
というのも、エジプト前半の最後にいるストローでライフを吸う敵が、
地形的に倒しにくいので、フラッシュでさっさと片付けないと
こちらが瀕死になるまでライフを吸われてしまうのです。
また後半も、ランダムなタイミングでときどき出てきて
空中をフラフラ追いかけてくる敵が、正面からの攻撃が効かないので
普通に倒そうとすると被ダメする可能性が高く、フラッシュが効果的。
こいつらのためにフラッシュは温存しときましょう。
逆にこいつらが出たら最後の一個でも躊躇せずにフラッシュを撃つこと。


神々の時代のシューティングシーンは、開始から少し進んだら、
ショット連射しながら画面の一番上を
右押しっぱなしで飛んでいけば無傷で抜けられます。


中ボス撃破時に教えてもらえる暗号ですが、
暗号を知ってさえいれば中ボスはスルーしてもOKなようです。
ステージボス撃破後の暗号入力をミスった場合に
ラスボスがどうなるのかは未確認。倒せないのかな。


……と、そんなところでしょうか。
以下ネタバレですが、エンディングではサラマンダーを倒した橋本名人が
人間に戻ってめでたしめでたし、と思いきや……!?
という展開で最初に戻り2周目が始まります。
2周エンドかと思って必死こいて2周ノーコンクリア達成しましたが、
エンディングに変化はありませんでした。徒労感……。
橋本名人が延々と時空の狭間を彷徨い続けるループゲームのようです。


いやはや大変なゲームでした。
ラストのグリーンザウルスとサラマンダーの2連戦が非常に厳しくて
ノーミスクリアは達成できてないのですが、ここまでにしておきます。
以上、ポケットザウルス十王剣の謎についてでした。
ありがとうございました。