飛龍の拳 奥義の書

ファミコンの『飛龍の拳 奥義の書』をプレイしました。


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87年、開発・発売は「日本ゲーム」……とカートリッジに書いてありますが、
皆さんご存知、後のカルチャーブレーンであります。
なんでもこれを発売した直後くらいに社名を変更したそうで、
出荷時期の違いで、カートリッジや箱の社名が
カルチャーブレーン名義になってるバージョンも存在するそうです。


WiiUバーチャルコンソールでも配信されてまして、
公式ページで説明書なども見られるようになってるみたいです。


https://www.nintendo.co.jp/titles/20010000007406


中国の秘境「龍飛峰」で生まれ育った少年「龍飛」。
あるとき、拳法の師であり育ての親でもある寿安老師が何者かに殺され、
必殺拳「飛龍の拳」について書かれた6巻の奥義の書を奪われてしまう。
老師の遺言に従い、奥義の書のうちただひとつ取り戻した「心眼の書」を
少林寺貫主である元涯(げんがい)に渡して少林寺に身を寄せた龍飛は、
修行の末に少林寺最強の拳士となり、元涯から心眼の極意を伝授される。
同時に、寿安老師を殺し奥義の書を奪ったのが「龍の牙」という組織であり、
今、龍の牙が少林寺に挑戦状を叩きつけてきたことを知らされた龍飛は、
龍の牙を倒して5つの奥義書を取り戻すために、挑戦状を受け、
異種格闘技世界大会に出場するために旅立つのだった。
……というストーリー。


だいぶ複雑なゲームなので操作説明等は上記URLに任せたいところですが、
基本的なことだけ一応説明しておきますと、まずこのゲームは
少林寺編」と「世界大会編」の2部構成になっていまして、
ゲームを開始すると、師を殺された主人公の龍飛が
少林寺に旅立つ道中ステージからスタート。
少林寺編は実質チュートリアルであり、
横スクロールアクション形式の道中面を終えると、
ファミコンでは珍しい丁寧な操作説明デモを挟んでから、
いわゆる格ゲーのような感じの試合モードへ。
少林寺の拳士相手の練習試合を3回こなして要領をつかんだら、
元涯から「世界大会で龍の牙を倒して奥義の書取り返してこい」(要約)
って言われて、いよいよ本番の世界大会編へ。


世界大会編では、 道中面→予選大会 の流れを繰り返し、
3つの予選大会を勝ち抜いたら(クリアしたら)、
最終面である世界大会本戦に出場。
勝戦で龍の牙総帥である「フーズフー」を倒すとゲームクリア。
……と思いきや……?(後述)


5回ある道中ステージはどれも短めですが、
ザコを一定数倒すと中ボスが出現し、これを倒すと取れる
「力」と書かれたアイテムを5つ集めることでゴールの扉に
入れるようになります。5つ揃ってないと面の最初にループします。
「力」をひとつ取るたびに自キャラの攻撃やジャンプがパワーアップ。
他にも龍神像を殴ることで回復や強化のアイテムが出てきたり、
ヒントメッセージが出たりすることもあります。


試合モードは、大会の対戦相手である拳法家、空手家、
プロレスラー、ボクサー等々の強豪戦士と一対一の戦い。
自キャラや相手の体に〇印が表示され、そこを狙って
攻撃・防御を応酬する「心眼システム」が特徴的です。
上中下段の攻撃のほか、攻撃を当て続けて「KOゲージ」が
最大までたまったら、高威力の必殺技「飛龍の拳」が放てます。
あと龍の牙戦限定で、飛び道具の「闘気」が撃てる。


各予選大会は3試合ずつ、決勝大会は6試合ありますが、
各大会には正体を隠した龍の牙の戦士が出場者の中に紛れ込んでおり、
試合中に一定の条件を満たすことで、正体を暴くことができます。
正体を暴いて龍の牙の戦士を倒せば、めでたく「奥義の書」を入手。
正体の暴き方は、直前の道中面で、特定地点通過で現れる
4つのマークを全て出すと、試合前に元涯からヒントをもらえます。


あと試合中はときどき画面右から「聖水」が飛んできて、
これを取るとセレクトボタンで少し回復できるので重要。
聖水は10個までストックでき、ため込んでおかないと終盤では厳しい。


基本的なことはそのくらいかな。
あとゲーム開始時に「子供用」と「プロ用」の2つの難易度が
選べるので、子供は子供用を、プロはプロ用を選びましょう。
プロとは……?


ほかにパスワードコンティニューもできますが、
パスワードはゲームオーバー時にしか表示されない上に、
どうも再開地点がよく分からず。
何回か使っただけだけど、どうやらだいぶ戻される……?
あまり当てにしないようにしましょう。


と、いうわけでひととおりプレイしましたので以下感想。
飛龍の拳シリーズって初めてプレイしたんですが、
上中下段の敵が狙ってる位置にマークが表示されてそこをすかさず防御!
そして場合によってはそこからの返し技に派生したりとか、
当時としてはなかなか先進的なシステム……だったのでは。


モグラ叩きのようなシステムと言われることもあるようですが、
攻撃・防御の判断、パンチ・キックの使い分け、
そこに必殺技や間合いの要素も入ってくるので、
モグラ叩き」の一言で説明できるほどシンプルなものではなく。
刹那の判断としっかりした操作が要求される攻防は、
アクションゲーム的な面白さをちゃんと持っていると思いました。


が、一方で操作性が悪いのが辛いところですね……。
本作、移動・ジャンプ・しゃがみを十字ボタンで行うのに加えて、
上中下段の攻撃・防御の使い分けも十字ボタンで行うので、
操作の受付のためにジャンプや移動が一瞬遅れるのは
まあ理解できるんですが、それにしたってちょっと色々、
融通が利かないというか。


試合モードでは操作を受け付けてくれないタイミングが多いようで、
入力してるのに技が出ねえ!……くらいならまだしも、
「しゃがめない」とか「ジャンプしてくれない」みたいな
基本動作まで失敗する事態が頻繁に起こります。
さすがにストレスたまる。


それから、道中で薄い足場を降りるのに
「ジャンプ中に下押しっぱなし」という操作。
道中モードではしゃがみ攻撃はできないので、
普通に下+Aで良かったのでは?と思うんですが、
まあ当時は下+Aで足場降りという操作もまだ普及してなかったんでしょうね。
だからといっていちいちジャンプしなきゃいけないのは
どうかってところなんですけれども……。


あとは、道中面がバリエーションに乏しく、
試合もこなす回数の割にはそこまで大きな変化がなく続くので、
やはりどうしても冗長に感じてしまう部分が大きいのも問題でしょうか。
以下ネタバレですが、これ一周でクリアなら
あまり気にならなかったと思うんですよね。
しかし一周クリアすると、倒したフーズフーは偽物だったと言われて、
ご丁寧に取り返した奥義の書も再び奪われた状態で
世界大会編の最初に戻されて2周目に突入します。


奥義の書を取るために一部の龍の牙の正体を暴くやりかたが
だいぶ面倒臭かったりもするので、せめて一周目で集めた分の奥義の書は
2周目に持ち越させてほしかったところなんですが、
無慈悲の没収。龍の牙許すまじ……。


奥義の書を全て集め、さらに道中ステージにて2周目限定で取れる
「水晶玉」を4つ集めた状態で最終ボスのフーズフーを倒すと
めでたく真エンディング到達となります。


面白い要素は持ってるけどいろいろ惜しいゲーム、
というのが最終的な感想になりますね……。


攻略については、とにかく聖水が重要、ということは上記の通り。
試合には制限時間はないようですので、簡単な相手の場合は
適度に逃げ回って、ある程度聖水が取れるまで
試合時間を引き延ばすのも手です。


あとは無理な攻めを行わず、冷静に対処することでしょうか。
飛龍の拳は普通に出してもなかなか当たらない気がしますが、
なんかコツとかあるんですかね……。私もあんまり掴めてません。
一方、龍の牙戦限定で撃てる闘気は、出せばほぼ確実に当たるので、
こっちを積極的に使っていった方がいい気がしました。


そんなこんなで真エンドでノーミス2周クリア達成。
2周すると長丁場な上、2周目のフーズフーが強くて難儀しましたが、
どうにかこうにか達成できました。ふう……。
以上、飛龍の拳でした。
それでは今日はこの辺で。