バーチャルウォーズ(SFC版)

f:id:bunaguchi:20200921220818j:plain:w400


SFCの『バーチャルウォーズ』をプレイしました。


f:id:bunaguchi:20200731235521j:plainf:id:bunaguchi:20200731235956j:plainf:id:bunaguchi:20200731235831j:plain


いわゆる洋ゲーで、日本ではココナッツジャパンより94年に発売。
海外では『The Lawnmower Man』というタイトルで、
同名の映画のゲーム化作品、だそうです。GB版も出ているらしい。


世間から爪弾きにされ、芝刈りばかりしている男ジョーブ。
アンジェロ博士は、ショップという組織からの援助を受けて、
ジョーブを被験者にバーチャルリアリティを使った実験を行い、
彼の知能を飛躍的に高めることに成功した。
しかし、ショップの陰謀によりジョーブは
バーチャル世界で強大な力を持つに至ってしまう。
暴走したジョーブを止めるため、アンジェロ博士は友人のカーラとともに
今、バーチャルリアリティの世界へと入り込む!


……ってな感じのストーリーなんだと思いますが、
本作、技術的に色々凝った演出や処理を詰め込んでいる一方で
ゲーム中にストーリー展開に関する説明が少なく、
特に後半の話がよく分からないのがなんとも。
VSIとは……ドームプレイヤーとは……
重要っぽい設定があまりゲーム中では説明されません。


説明書は持ってないのですが、その辺の説明が書いてあったりはしたのかな。
あるいは細かいことは原作を見てくれという割り切った作りなのか。
洋ゲーということで、日本語訳の過程で端折られた説明とかもあったりするかも。
まあ当時のゲームはだいたいそんな感じだった……と言ってしまうのも乱暴でしょうか。


ゲーム内容は、2Dアクションシーンから始まりますが、
割と頻繁に疑似3D画面のステージが挟まれ、その3Dシーンも、
3D避けゲーや3Dシューティングといった複数種類の内容が盛り込まれており、
さらには車orバイクに乗った横スクロールシューティングあり、
IQテスト(と称した図形や数字を選ぶミニゲーム)ありの
バラエティに富んだ内容が詰め込まれています。

地形がスムーズに拡大しながら迫って来る3D面や、
グルングルン回転しまくるサイバーチューブ面など、
技術デモ的な印象を受ける場面が多いですね。


一方でゲームバランスの観点で見ると、
2D・3D面ともに動きの慣性が強めで微調整が難しく、
にもかかわらず3D避けゲー面で障害物に当たると一発アウトだったり、
シューティング系の面では狙いをつけるのが難しかったりと難易度が高く、
全体的に取っつきの悪さは否めないように思います。


操作方法は、2D面では十字キーで左右移動としゃがみ、
BボタンかXボタンでジャンプ、Yボタンで射撃。
魂斗羅のように押しっぱなしで連射ですが、射撃方向は横のみ。
AかLRをホールドしてから離すとタメ撃ち。
扉などの前では上を押して入る。

3D面はステージによって細かなシステムが異なりますが、
だいたい上下左右の移動と射撃だけのシンプルな操作です。


基本的にライフのない残機制ですが、
2Dステージに点在するアイテムボックスやオブジェクトを壊すと
ばらばらとディスクのようなアイテムが出てきて、
それを集めるとスーツを装着し、これを着用時は一回だけ攻撃に耐えられます。
被ダメするとスーツ着用時でも爆散したような演出が入りますが、
残機とスコア倍率が減らないので分かるはず。
あと一部の3Dシューティング面や特殊ステージでは
ライフが表示されて普通にライフ制になります。


2Dステージではその場復活ですが、3Dのステージは死んだら入り口まで戻されます。
コンティニュー時もその場復活ですが、回数に制限があり、
しっかりパターンというか攻略法を確立していかないと普通にコンテ回数が尽きます。


開始時にプレイヤーキャラとしてアンジェロとカーラのどちらかを選択できますが、
性能差はない様子。表示から察するに2人プレイもできるようなので、それ用かな。
まともに動作するコントローラを一つしか持ってないので試せず分かりませんが。


ステージの区切りがはっきりせず、2D面の途中にある入り口に入ると3D面に移行、
それをクリアすると出口から出てきて2D面続行……みたいな繰り返しで
進行するゲームなので、ステージ数はどうカウントすればいいのか分かりませんが、
通しプレイするとそこそこ時間がかかるので、ボリュームは十分。


ただし2D面は序盤が屋外、中盤がサイバーな雰囲気の屋内、
終盤がショップ本拠地のビル内と3種類くらいの見た目で、
若干見た目の変化に乏しい感はあるかもしれません。
一方で3D面は結構バラエティに富んでる印象。
終盤で唐突にサイバーエジプトとか出てくる。


アイテムについて。
上記のディスクの他には、よく出るのが武器強化と無敵アイテム。
武器は数種類ありますが、そこまで武器性能で攻略が左右されることもない印象。
出たものは全部取っても支障ないと思います。
「!」マークのアイテムは取ると爆風が広がって周囲の敵に大ダメージ。
たまに出る緑の印がついてるのは1UP。
それから赤い数字のアイテムは、数字の分だけスコア倍率が上がる。
左上の残機の横の数字がそれで、ミスすると1倍に戻ります。
ノーミスで取り続けると最高で99倍にもなるので、
上手いプレイをしてるとかなりスコアが高くなりますが、
スクロールアウトで復活する敵を倒してれば無限に稼げるようなので
スコアアタック向きってこともないかな……。


f:id:bunaguchi:20200825232918j:plain:w400
全てのデータを消すときに使いたい画像


というわけで一通りプレイしました。

最初はかなり取っつきの悪さを感じていて、
あまりに簡単に死ぬ3D面、乗るとジャンプできないリフトの挙動、
何をしたらいいのか分かりづらいジョーブ戦、
開始直後に食らうサイバーチューブ(あれ最初の輪は避けられるの?)等々、
色々と面食らうというか、もう少し分かりやすさとか遊びやすさとか、
そういうことを気にして作ってくれー……などと
26年前の制作者に時空を超えた念を送りながらプレイしていました。


しかしながら、プレイを繰り返して慣れてくるとクソゲーということもなく。
難易度は高いですが、攻略を詰めると一応ちゃんと
安定してクリアできるようになっていて、それなりには遊べる作り。


3Dステージや多関節ボスはもちろんのこと、
爆発エフェクトや敵を倒したときのドットが散るような表現とか、
端々の表現も個性的というかエッジが効いてるというか。
なんだかんだで見どころのあるゲームではあると思いました。


ガソリンスタンドの給油機や自販機が
中ボスとして襲ってくるのもなんか変というか味わい深い感じ。
バーチャル世界からハッキングして操ってるとかそういうこと?
多関節でウネウネ動くガソリン給油機とか唯一無二だと思う。
原作にそういうシーンがあったりするのかな。


プレイ後にスコアランキングに名前入力ができるのですが、
ランキングにはスコアとともに達成率のようなものが表示されます。

普通にプレイするとクリアしても97とか98止まりだと思いますが、
どうやら100%にするには、ゲーム中全てのIQテストマシン(?)を
こなしてからノーコンティニュークリアする必要があるようです。

IQテスト自体は法則が分かれば簡単なのですが、
マシンは分かりにくい場所に設置されてるものもあり、
結局一個だけ場所が分からずネット上の動画に頼りました。


f:id:bunaguchi:20200914163542j:plain:w400

↑そして完全クリア達成。
100%……ではなく、「ALL CLEAR」と表示されます。
極めればノーミスクリアも不可能ではなさそうな気がするんですが、
一発死の3D面がかなりキツイので、ノーコンティニュークリアで満足しておきます。


以下、要所の攻略メモ。


まずIQテストの法則ですが、上段に二重になってる図形が並んでる場合は、
「外側と内側の図形が同じ形になっているもの」を選べば正解です。
内側の小さい図形の円と八角形の区別がつきにくいので注意。


f:id:bunaguchi:20200921171648j:plain:w320

↑序盤の屋外ステージ。建物の屋根から飛び降りた後のここは、
左に行くとIQテストマシンがあります。

この少し後、サイバーウォーゾーン1から出たところでも、
同様に左に行くとIQテストあり。

さらにその後、少しだけヘリコプターに乗る場面がありますが、
優しく着陸しないとヘリが爆発して死ぬようです。


中盤のリフトのあるステージは、2つのリフトが連動していて、
ひとつが動くと、どこかにある(画面外のこともある)もうひとつのリフトも
動くようになっています。これに気付かないとひたすら時間を浪費しかねない。


f:id:bunaguchi:20200921113804j:plain:w320

↑3D面(サイバーダスク)への入り口がある場所。
最初の入り口に入らずに、リフトで向こう岸に渡ってから、渡った先の入り口に入る。
元のところに出るので、目の前に降りてきてるリフトに乗って上へ。


f:id:bunaguchi:20200921173532j:plain:w320

↑ここのリフトを上に動かしてから、マップ右端まで戻るとリフトが出現しているので、
それに乗って下に行けばIQテストマシンがあります。


f:id:bunaguchi:20200921171807j:plain:w320

↑2つ上の画像と似てるこの場所は、
3D面(コンクリートジャングル)をクリアして出てきたら、
リフトで戻ってもう一度入り口に入ると、少し進んだところにリフトが出現して
IQテストのある場所に行けます。同じ3D面の入り口に2度入ることになりますが、
2度目は再プレイにはならず、すぐに出口から出てきます。


終盤のショップビル内は、敵が多いので慎重に進むべし。前方に出たアイテムを
慌てて取りに行くと敵が出現して返り討ちに合うことが多いです。


f:id:bunaguchi:20200916145957j:plain:w320

↑ここの緑の壁の陰にIQテストマシンが隠れています。


3D避けゲーの難関面について。

サイバーダスクは、スタートから一切高さを変えなくても
下から出っ張っている部分には当たりません。


コンクリートジャングルの「凹」型の壁と「冂」型の門(?)のような地形は、
「凹」の下辺ギリギリを抜けるようにすれば、
「冂」も高さを変えずに上辺ギリギリを抜けることができます。


コスミックシティは、かなり殺意の高い構成ですが、基本的に一番上にいて、
一番上でかわせない横棒だけ少し下がって回避する方針が安定度高いと思います。


サイバーエジプトは、開始直後にあるピラミッドのような地形を1つ目とすると、
2つ目のピラミッドは右、3つ目は左にかわさないと厳しい。
木々の間を抜けていくような形で進んでいくとかわしやすいはずです。


車orバイクのシューティングステージは、もう慣れるしかないんですが、
恐れずに前に出ることを意識するとかわしやすい気がします。
あと、分離帯に当たらないようになるべく上下どちらかに寄る。
自車から火が出たら死にそうな合図ですが、ダメージを受けずにいると自然回復します。



ボス戦について。

f:id:bunaguchi:20200921173816j:plain:w320

↑序盤の難敵ガソリンスタンド。多関節ホースを破壊した後は、
この位置にいれば動かなくても炎に対して安全地帯。
最後に出てくる炎人間もこの位置で対応。
武器のパワーアップが十分かつ直前でホーミング弾を取っていれば、
炎人間が真上から降ってきても、食らう前に頭上で弾を当てて追い払えます。


中盤の天井を歩く多関節ボスは、画面端でしゃがんで撃ってれば安全。
武器がホーミング弾の場合、ずっと撃ってればそれだけでも勝てるかも。
あとはボスの生成するザコがアイテムを出すので、隙を見て取って活用したいところ。


中盤の山場であるジョーブ戦は、顔を撃ちまくっているだけでは倒せません。
ジョーブが引っ込んだ直後に六角形のカタマリが迫ってきて突っ込みますが、
このとき緑の六角形に当たると、六角形が赤くなります。
中央にある7つの緑六角形全てを赤くすれば勝利。


ラスボス戦について。
緑の人型マークのようなアイテムが無敵アイテムなので、優先的に取るべし。
どうやら重ね取りするとそれだけ効果時間が伸びる様子?
光を照射するような攻撃をしてくる最終段階は、
一応ボスの攻撃前後に数発撃ちこむチャンスがありますが、
それ以外では無理せず無敵アイテム待ちするのがいいと思います。


あと攻略とは関係ないですが、ラスボス撃破と同時に画面がカラフルに点滅し始めて
しばらく鬼のようにパカパカ光りまくるので直視しないように。
いわゆるポケモンショックを超えるレベルで健康を損なうフラッシュ具合ですが、
当時クリアまで辿り着けた子供が少なそうなのが救いでしょうか。
もしこれが大人気ゲームでクリアした子供が多かったら、ポケモンショックの代わりに
「バーチャルウォーズショック」という言葉が生まれていたかもしれない……。


以上、SFC版バーチャルウォーズについてでした。
いいゲームだった。