忍者くん 魔城の冒険(Switchアケアカ版)

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『忍者くん 魔城の冒険』をプレイしました。


http://www.hamster.co.jp/arcadearchives/switch/ninjakid.htm
https://ec.nintendo.com/JP/ja/titles/70010000009572


ハムスター(と日本一ソフトウェア?)が展開しているアーケードアーカイブス
そのSwitch版です。元はUPLによる1984年のアーケードゲーム
私は弟のじゃじゃ丸くんシリーズは結構やってますが、
兄の忍者くんの方はやったことがなかったので、
じゃじゃ丸コレクションが出る前にとりあえず兄貴の方に挨拶しとくか、
と思って今回初プレイ。というかUPLのゲーム自体初プレイかも。
マイナーながらマニアックな支持者のいるメーカーという印象でしたが、
さて、その実力は……?


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ということで忍者くん。
「魔城の冒険」と副題がついてますが、これが一作目……なんですよね?
MSXで同名のゲームが出てたらしいけど関係ないとか。


アケアカ版は基本的に忠実移植で、特にアレンジとかは無し。
スコアアタック用に搭載されてるハイスコアモードも、
中断セーブやコンティニュー不可なだけでゲーム内容は同じです。
そこにさらに5分間の制限時間を加えたキャラバンモードもあって、
それら3つのモードのスコアをオンラインランキングに登録できるのが現代的な作り。


ゲーム内容。ひとつのステージに8体敵が出てきて、
全て倒したらステージクリアで次の面に進めるという固定画面系のルールなのですが、
ステージは上下に大きくスクロールする広さの縦長マップ。3画面分くらいあるのかな。
8段くらいの足場を上下に行き来して敵を倒していきます。


自キャラの忍者くんの攻撃手段は、前方に手裏剣を投げるというオーソドックスなもの。
ただし射程は画面横幅の1/4程度の中距離で、連射も効かず。
敵の動きの嫌らしさも相まって、安定して敵を倒すには少々コツがいる感じ。
ライフ制ではなく、敵の攻撃に当たると一発死ですが、敵本体には接触しても死なず、
地上にいる敵を踏んだり下から突き上げたりすることで逆に気絶させることができます。
これで気絶させてから手裏剣でトドメを刺すのがセオリー。
自キャラが一発死の一方、敵も基本的には一発当てれば倒せます(後述のヨロイ以外)。
パワーアップの類は一切なく、地道に手裏剣で一匹一匹敵を潰していくゲーム。


ステージの地形の種類が少ない(3種類)ですが、
代わりに敵はなかなか考えられたアルゴリズムで動いているようで、
個体によって執拗に追いかけてくるもの、逆にこちらから逃げるものなどもおり、
一筋縄ではいかない、なかなか熱い戦いが展開されます。
各ステージには120秒の制限時間があり、これが0になると
永パ防止の炎が飛んでくるほか、敵が追ってこないからといって
同じ段でずっと粘っていても同様の炎が飛んでくるようになっています。


スコア関連のフィーチャーが豊富なのも特徴的で、敵を倒すと出るスコア巻物のほか、
倒した敵が落ちていくところに追い打ちすると追加点がもらえたり、
手裏剣を1発も無駄打ちせずに敵を全部倒すとボーナス点とか、
各ステージで1回だけ落ちてくる宝の玉を取ると1000点、
さらにそれを3つ揃えるとボーナスステージに行けるとか、
多彩な手段でスコア稼ぎができるようになってます。


残機制で、スコア30000点で1UPのあと、100000、170000、240000……と、
7万点エブリでエクステンドしていくようです。(モードによっては設定で変更可能)
オリジナルモードではゲームオーバーになってもクレジット追加でコンティニューでき、
倒した敵も復活せずにゲーム続行となりますがスコアはリセットされます。
エンディングのないループゲームで、32面で一周だそうな。


操作方法。
ゲーム中の基本操作は、方向ボタン左右で移動、Bで手裏剣攻撃、Aでジャンプ。
他はメニューを開くのに+か-ボタンと、クレジット投入にLボタン、
ゲーム開始にRボタンというのがデフォルト操作になっています。
オプションで割り当てを変更できるので、私はYで攻撃Bでジャンプ
XでクレジットAで開始、という風にメイン4ボタンで全部事足りるようにしてます。


ジャンプについてなんですが、このゲームは垂直ジャンプができず、
移動中にジャンプボタンを押すことでその方向にジャンプするようになってます。
細かい軌道制御はできませんが、ボタンを押す長さによって
上の段に上がれる大きなジャンプと、上に届かない小ジャンプを使い分けできます。


そして、移動せずにレバーニュートラルでジャンプボタンを押すと、
もう一つの重要なアクションである「段差降り」ができます。
後年の作品だと、十字キー下や下を押しながらジャンプボタンで
段差を降りるのがスタンダードになっていきますが、
このゲームでは一つのボタンでジャンプと段差降りを使い分ける必要があり、
これがなかなか、慣れが必要なポイント。
慣れないうちは降りるつもりでジャンプが暴発したり、その逆になったり。


まだまだスタンダードな操作が確立していなかった黎明期の作品ゆえかな~
などと最初は思っていたんですが、よくよく考えてみればそういう問題ではなく、
そもそもこのゲーム、入力が左右しかない2方向レバーのゲームだったんですね!
マニュアルのついでみたいに収録されてるインストの画像をよく見たら
しっかり「2方向レバー」って書いてありました。
古いゲームではそういうレバーも使われてたと聞き及んではいましたが、
私のような家ゲーマーにはなじみが薄かったので、思い至るのに時間を要した感じ。


で、そういう視点で見ると、なるほど上下入力のない2ボタンのゲームで
ジャンプと段差降りを両立できる操作として、なかなか合理的な作りになってるなと、
古人の知恵に感心するのでした。ゲームデザイン考古学だ。


若干脱線した気がしますが、それでゲームの感想といたしましては……
すごく良くできているアクションゲーム、と言えるんではないでしょうか。
上に書いた通り敵の動きのアルゴリズムが複雑でパターン化できないのですが、
それゆえに、パターンではなく立ち回りと状況判断で勝つ面白さがあり、
豊富な稼ぎ要素とボーナスステージでハイスコア狙いも熱い。


このゲーム、横方向に弾を撃つ敵が多いので縦から近づいて仕留めたり、
複数の敵に囲まれると危険なのでそうならないように立ち回ったりと
どこかベルトアクションにも似た感覚がありまして
84年の時点でいろいろ先取りしてるようにも感じたり。


スコア稼ぎも、手裏剣8発ちょうどで敵8匹全滅させたときのボーナスが大きいので
狙っていきたいのですが、成功させるのが難しい上に、これを狙うと
1匹の敵に複数回当てる地道なスコア稼ぎができない。
つまりはトレードオフの関係になってるのが、駆け引きがあって面白く、
そして7万点エブリなので、そのスコア稼ぎが、
より先の面に進むための攻略上でも重要になってくるという作り。
隙のない完成度で、支持者が多いのも頷けますね。


そんなわけで大変面白いのですが、やはりというか、
古い時代のアーケードゲームゆえか、中盤以降の難度上昇っぷりがすごい。
今プレイする人に対してはそこがネックかな……。


特に、その場に残り続ける炎を吐く『シシマイ』と、
フラフラとかわしにくい動きで画面端でターンして飛び続ける弾を吐く『トカゲ』が
非常に厄介で、こいつらがメインで出始める10面台中盤以降は、
どうしても残機がゴリゴリ削られがち。
そして極めつけが、20面台で登場する最後の敵『ヨロイ』。
上の方にちらっと書きましたが、基本的に敵も一発死なこのゲームにおいて、
このヨロイだけは、「気絶させてからじゃないと倒せない」
という制限が課されており、これがすげえキツイ。
ヨロイがメインで登場する22~24面のうち、22と23面はまだ何とかなるんですが、
24面は7体のヨロイが執拗に追いかけてくるステージで、
こちらからまともに攻撃できるチャンスが少なく、
慣れないうちは一瞬で残機全部持っていかれるほどの高難度になっています。


そんなこんなで結構プレイしたんですが、結局私も一周できてないのでありました。
32面で一周らしいですが、最高で30面まで行けました。
一回だけ地獄の24面を越えてそこまで行けたんですが、力及ばず一周ならず。


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↑基本ハイスコアモードでプレイしてて、567610点でオンラインランキング3位まで
上り詰めたんですが、一周できてないのにこれってことは、
やっぱワンコインで一周できた人はほとんどいないってことですよね。
というか一位の人のスコアすごいな!これがガチ勢というやつか……。
エクステンドがエブリなので極めれば延々と回せるような気はしてましたが、
実際にやっちゃうのがすごい。素晴らしい。
(追記:エクステンドは10回で打ち止めだそうです)


一周できてないので攻略に関して書けることはあんまりないんですが、
調べると丁寧な攻略ページもあるようですので、そのあたりを参考に。


上にも書いた通り、敵の横に立ってると危険なので、
基本的に上段や下段から近づき、ジャンプや段差降りで
体当たりして気絶させるのがセオリーです。
ただしカブキやトカゲの攻撃は、位置取りによっては
上下の段にも危険が及ぶので油断は禁物。
敵の種類ごとに有効な位置取りや立ち回りを探っていきましょう。


パターン化できないと書きましたが、敵配置は固定なので
ステージ開始直後の動きだけはある程度パターン化できるようです。
3の倍数の面は、開始直後に敵に囲まれることが多いので
開幕すかさず左右の敵を片づける。それ以外の面は開始と同時に
右に跳んで一段上に移動すると敵を処理しやすい……
くらいのことは私もプレイする中で気付きましたが、
より攻略を詰めるなら、ステージごとに開始直後の動きを最適化していくことで
プレイの安定度を上げていくといいようです。


地獄の24面はまあ……ひたすら上に逃げて、下から上がってくる敵を
段差降りで踏んで気絶させるのを狙う、というやり方で私は打開しましたね。
敵も追いかけてくるので、囲まれたらいったん下まで降りて仕切り直し。
無論ノーミスは無理なので残機が必要。


以上、『忍者くん 魔城の冒険』についてでした。
非常によくできたゲームだった……。
さて、兄貴への挨拶が済んだところで『じゃじゃ丸コレクション』の発売はいつかな。


https://ninja-jajamaru.com/jp/


と思って公式見たら明日だった。パッケージ版もあるんですね。
動画見ると「ジャレコイン」とかポップコーンのあれとか、
なんだか内輪っぽいネタ要素多めの雰囲気を感じて
若干不安になるんですが、ゲームとしては悪くなさそう?
積みたくないのですぐには買いませんが、そのうちプレイしたいと思います。