バンパイアキラー

メガドラミニ収録の『バンパイアキラー』をプレイしました。


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94年コナミ。言わずと知れた『悪魔城ドラキュラ』シリーズのメガドラ版!
中古市場でかなりのプレミア価格で取引されている上、
最近まで他ハードに移植されてなかったこともあり、
今まではプレイするのが難しかった作品ですが、
悪魔城ドラキュラ アニバーサリーコレクション』と『メガドライブミニ』の
目玉タイトル(だよね?)として今年ついに初移植!
私もこうしてプレイにありつけたのでありました。


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最初に白状しておくと、The Soul of DRACULAであれだけオマージュしておきながら、
実際に本作をプレイするのは私もこれが初めてです。
今まで動画勢で申し訳なかった……俺も真のバンパイアキラーになる時が来たのだ!


時は第一次世界大戦の最中。
かつてドラキュラを倒したキンシー・モリスの息子であり
ベルモンドから受け継いだ鞭「バンパイアキラー」の使い手であるジョニー・モリスと、
恋人を吸血鬼にされた復讐のため妖槍「アルカードスピア」で戦うエリック・リカード
戦争の影で暗躍し、人間の魂を集めてドラキュラを復活させようとする
女吸血鬼エリザベート・バートリーの野望を阻止するため、
2人のバンパイアハンターが血の宿命に従いヨーロッパを駆ける!


……というストーリー。
今回はジョニーとエリックの2人のキャラのどちらかを選択してプレイします。
ドラキュラシリーズ伝統のステージクリア型横スクロールアクションで、
各ステージに中ボスもいて全6ステージ。
続いて操作方法やシステムの説明……は、メガドラミニの公式サイトに
当時の説明書がpdfでそのまま上がってるのでそれを見るのだ!!


https://sega.jp/mdmini/soft/castlevania_bloodlines.html


Web上でいつでも説明書を見れるのはありがたい。いい時代だ。
基本的にドラキュラシリーズの過去作品を踏襲してますが、
攻撃アイテム(サブウエポン)関係が過去作品とは変わってるところ。
従来のハートがジュエルになってて、サブウエポン自体も
聖水、斧、ブーメランの3種類と少なめ。
代わりにひとつの武器に複数の攻撃方法があり、Cボタン単独押しで通常使用、
上+Cでジュエルを多めに消費してより強力な攻撃となってます。
さらに、「メイン武器が最強状態」「ジュエル数が8以上」の条件を満たすと
サブウエポンが、ジョニーは『水龍』、エリックは『雷電槍』という最強武器に変化。
これは実質ボムのようなもので、ジュエルを8も消費して広範囲に
強力な攻撃を繰り出すもの。この状態だとサブウエポンを通常使用できないので、
使い方や取り方を考えた方がいい場面もあります。
パワーダウンやジュエル枯渇で上記2つの条件から外れると元の武器に戻る。
また、最強武器の状態で新たに別のサブウエポンを取ることでも最強武器を失います。
その場合、同じ武器をもう一度取れば再び最強武器に変化。


メイン武器は、ジョニーは鞭、エリックは槍。今回は上や下にも攻撃できたりしますが
キャラによって攻撃できる方向や速度が異なるので注意。慣れましょう。
ジョニーは空中でしか上打ちできない一方、逆にエリックの上攻撃は地上でのみ可能、
というあたりが少しわかりにくいところかな。
パワーアップは4段階で、最高のレベル4の時に被ダメするとレベル3にパワーダウン。


他に特徴的なシステムとして、ジョニーは天井に鞭を突き刺してターザンアクション、
エリックは槍で棒高跳びのように垂直ハイジャンプが可能。
どちらも使用中無敵で攻撃判定つき。エリックのハイジャンプはかなり便利ですが、
ジョニーのターザンアクションは使える場所が限られる印象。
結果、エリックが初心者向けのキャラで、
ジョニーが従来のドラキュラシリーズ経験者向けのキャラになっているように思います。


ということで一通りプレイしました。
感想ですが……まあ一言で言いますと……「ドラキュラだった」。


ドラキュラはいろいろなハードで展開されていたシリーズであり、
方向性もスタッフもその時々によって異なっていて、
時にはタイトルさえ「ドラキュラ」を冠さない形で発売されていたわけですが、
本作もその例に漏れず、メガドラというハードの色なのかスタッフの特色なのか、
シリーズ他作品と異なる独特の「味」を持っていると感じました。


しかしながら、当時のシリーズ作品に通底する硬派なゲーム性と言いますか、
敵の配置や挙動を把握し、パターンを作って攻略してゆく楽しさは健在であり、
ゴシックホラーに振ったSFC版、アニメ風のデモやキャラを採り入れたPCE版、
原点回帰のX68000版に対して、これがメガドラの「ドラキュラ」だ!という、
シリーズの名に恥じない出来と言えると思います!
……ちょっと褒め過ぎかな。いやしかし実際、このゲームは面白いですよ。
効果音が微妙とかネット上には書かれてるし実際変なところもありますが、
自分はあまり気になりませんでしたね。


本作は一見トリッキーな動きをする敵が多いですが、
その実、運ゲー的なランダムさはほとんどなく、
プレイするうちに攻略パターンが見えてくるし、
どの場面もちゃんと無理なく突破できるようにバランス取られてるように思えました。


難易度は(ドラキュラとしては)低めで、ミス前提ならゴリ押しもそこそこ効く作り。
ただし2面以降は肉の配置が極端に少ないので、ノーミスクリアを目指したり、
クリア後に解禁されるエキスパートモードに挑んだりする場合は
そこそこの歯ごたえが感じられます。
敵配置や地形の構成が単調な部分が結構あるんですが、
パターン重視な作りで、2面以降「ダメージ受けていい場所」がほとんどないので、
そういう場面でも気持ちはあまりダレずにプレイできました。エキスパートだと特に。
肉が少ないのも意図的な調整のように感じました。


で……、難点を挙げると、まさにその「単調な場面が多め」ってとこになるかな。
具体的に言うと、例えば3面のピサの斜塔内部なんかは、
背景がぐわんぐわん揺れて「おお!」って思うんですが、
敵はメデューサヘッドが延々出てくるだけで終わって肩透かしを食ったり。
5面のシャンデリアがあるエリアも、起伏のない地形で延々と
アックスアーマーの相手をするだけのエリアです。シャンデリアが落ちてきて、
うまくすると敵をそれに巻き込めるというギミックはあるものの、
それだけで引っ張るにはあまりにも冗長ですよねあそこは。


あとは、4面ボスの歯車モンスター『ギアスチーマー』が、
多関節でぐりんぐりん動いて凄いんですが、
ポコポコ音立てながらジタバタ動き回る様は、どうにもコミカルすぎて
あんまりゲームの世界観に合ってないよなあ、というのも気になったところ。


前述のピサの斜塔もですが、本作品はメガドライブというハードの能力を
限界まで使ったような演出が多く、全体的に演出偏重というか、
演出先行でステージ構成や敵の挙動が考えられてるようにも感じました。
説明書にも
「特殊効果による驚くような演出がされています。どうぞお楽しみください。」
って書いてあるし。まあ、そういう時代だったんだろうなあ……という。


逆に言うと、それでもちゃんと楽しめる内容に仕上げてるのがさすが当時のコナミ
あと演出偏重なのはもちろんいい面もあって、2面の夕日に照らされて
水面に反射する光景は本当に美しいし(おまけにBGMは名曲)、
3面ボス戦のグルングルン回る塔と雲はどういう状況なのかわからんけどカッコいい。
4面のおなじみ歯車ゾーンは、ノーマルだとスカスカだけどエキスパートだと
メデューサヘッドが追加されてて「これぞドラキュラ!」という感じになってるので
みんなエキスパートまでプレイしてほしいし、その後の動く足場に鉄球スケルトンが
乗ってるエリアも、エキスパートだと後ろからコウモリが飛んできて
気を抜くと奈落に突き落とされる白熱ポイントとなっているぞ。
……ってあれ演出の話のはずがちょっと逸れた。
まあ要するに、なんだかんだで見どころが多い良作でした。


既に書いた通りドラキュラとしては難度低めなので、持ってる方は
ぜひエキスパートのノーミスクリアを目指してプレイしてほしいですね。
十分可能だし、しっかりしたパターン構築が求められるので攻略過程が楽しい。
メガドラミニ側の機能で途中セーブできるので、
パターン練習がやりやすいのはもちろん、クリアデータをセーブしとけば
エキスパートモードにもいつでも挑戦できるのが嬉しいところ。


以下、エキスパートの攻略についてちょっとメモ。


3面、ボス前の浮遊足場エリアのフライングスケルトンは、
ノーマルと動きが全く違い、自キャラの周りを一周した後に突っ込んでくる。
出現直後に倒し損ねたら、突っ込んでくるのを待って迎撃するのが良さげです。
ただし突っ込んでくる速度が速いので、なるべく距離を空けて待ちたい。
スクロール方向に対して画面の後ろの方で待機すれば、
待機中にスクロールに流されて自然と距離が開いてくれるので都合がいい。


3面ボスのしっぽは、横に長く伸びてる時には判定がないようです。
しっぽから出る弾は自キャラを狙ってくるので、中央で待機してチョン避け。
中央以外だと足場が動くのでかわしにくい。


5面のジョニールート、爆弾投げる敵の爆弾はこちらを狙っているわけではなく
飛距離が一定なので、落ち着いて懐に入って叩く。
ケルトンが出たらブーメランで処理。
頭上に足場のある所だと足場に引っかかって爆弾の軌道が変わるので注意。
このエリアは最初に肉があるので、できれば敵を片付けてから戻って取りたい。


5面の骨柱が積み重なってる部屋。常に攻撃してくる骨柱は下から2段目のやつだけで、
他のはこちらが攻撃を当てなければ動かないので、何もせずしゃがんでいれば安全。
エキスパートでは他にゴーストが2体出るので一体目は落ち着いて処理。
2体目は骨柱に近づかないと出ないので、できればサブウエポンで骨柱を
遠くから全部倒してから出したい。骨柱がいなくなれば無視して進むこともできる。


最終面。最初のメデューサヘッドの弾はしゃがめばかわせる。
橋は最後まで行かないと落ちないので、落ち着いて。


その後の画面分割ゾーンは、表示ズレを計算に入れてメデューサヘッドに
対応するのは(自分の頭では)困難なので、射程長くて高速で正面に飛ぶブーメランを、
正面にメデューサヘッドが来たタイミングで投げれば、ズレとか関係なく当たる。
穴の手前では、メデューサヘッドを倒してから余裕をもって越えるようにすれば安定。


ドラキュラ第一形態は、恒例のワープしながらの攻撃を繰り返す挙動。
まっすぐ飛んでくる炎弾と、ファイアバーみたいなのを飛ばす攻撃と、
床に着弾する弾2連射の3種類の攻撃をしてくる。ファイアバーはしゃがめば当たらず、
床に着弾する弾は自キャラを狙うのでドラキュラと逆方向に歩いてかわす。
炎弾はしゃがみ攻撃で相殺し、直後の隙に本体を叩くべし。弱点は頭……のちょい下?
ファイアバーの後と、床に着弾する弾を2回連続で出した後には必ず炎弾が来るので、
そのつもりで動こう。慣れるとドラキュラが出た直後に叩いて完封できる。


第二形態は、最初左上に動くので一撃、次に右端に動くのでもう一撃。
以降は焦って叩きにいかず、上空に止まってるとこを叩く感じだと被ダメしにくいかな。
その後の最終形態はあまり強くない。


あと最後にテクニック。鞭or槍を振った後にボタンを押しっぱなしにすると、
すぐに引っ込まずに攻撃判定の出てる時間が少し延びるようで、
これを利用すれば一部の敵には2ヒットさせられます。
ボス以外の鎧系の敵にはだいたい有効。2面のミノタウロスもこれで素早く倒せる。


断片的ですがメモ取ってたのはこのくらいかな。
全体的にボスがあまり強くないですが、ボス前に肉がおいてあったりはしないので、
しっかりパターンを作ってノーダメで勝てるようにしておかないと、
なかなかクリアが安定しません。その辺も良くできてる。
そんな具合で、エキスパートをジョニーとエリックの両方でノーミスクリア達成。
バンパイアキラー、いいゲームでした。


メガドラミニ、次は魂斗羅か、あるいはゴールデンアックスあたりもやってみたいな……
と思うんですが、買ったばかりのSwitchを放置するのも何なので、
次はSwitchのゲームを何かやろうかなと思います。
あと、積んでるレトロゲーも何本かあるので、そっちも消化したい。
メガドラミニ → Switch → その他のゲーム
というルーチンでしばらくやっていきたいと思います。
それでは今日はこの辺で。