ギアナシスターズ:ツイストドリームズ - オウルティメイト エディション

ギアナシスターズ:ツイストドリームズ - オウルティメイト エディション』
というゲームをプレイしました。


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https://ec.nintendo.com/JP/ja/titles/70010000015608
https://www.wkb.jp/wp/gianasisters


SwitchのDLソフトで、昨年の12月28日発売。
公式サイトのメインビジュアルを見ればわかる通り洋ゲーです。
元は2012年にドイツのBlack Forest Gamesという会社が
クラウドファンディングで資金を調達して開発、発売した作品で……
という説明はKommander様のページが詳しいのでここでは省略。
元はマリオのパクリ云々といった話もそちらで。


GAME KOMMANDER様のギアナシスターズ:ツイストドリームズのページ
http://www.ne.jp/asahi/hzk/kommander/gstd.html


で、今回のSwitch版は「オウルティメイトエディション」。
PS3Xbox360WiiU、Steamと多くの機種で発売された作品ですが、
Switch版ではいくつか新規のステージが追加されているらしいです。
なにやらフクロウ(owl)のような敵がたくさん出てくる世界観なので、
owlとultimateをひっかけて「Owltimate」というタイトル。


ストーリーは、主人公の少女ギアナが連れ去られた妹のマリアを
助けるために夢の世界を冒険する……という単純なもので、
テキストで語られることも一切ないんですが、
一方でステージ開始前のロード中に流れるデモの一部は
何かこう、それだけではない不穏な雰囲気を醸し出していて、
これはギアナの精神世界が夢の世界に反映されてるのかなとか、
そういう想像の余地があったりもします。


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不穏な雰囲気のデモ


ゲーム内容。グラフィックは3D表現ですがゲーム性は純然たる2Dアクションです。
操作は左スティックか方向ボタンで左右移動としゃがみ、
Bボタンでジャンプ。敵は踏んで倒せる。ここまでは普通。
本作で特徴的なのは、世界を「ツイスト」できること。
ZLかZRを押すと、自キャラのギアナを黄色い髪の「キュートスタイル」と
赤い髪の「パンクスタイル」に任意のタイミングで切り替えられます。
そして、ギアナの変化と同時に「世界」自体も切り替わる。
背景が一変し、各種ギミックや敵の動きもリアルタイムで変化します。
このツイストを活用して難関を突破していくのがこのゲームの楽しさのメイン。


キュートギアナ専用のアクションとしてXボタンで回転。
パンクギアナ専用アクションはYボタンでダッシュ
……なのですが、実際は回転もダッシュもスタイルに関係なく出せます。
ただし回転を使うと強制的にキュートに切り替わり、
ダッシュを使うと強制的にパンクになる、という具合。
当然、同時に世界も切り替わるので、それも考慮に入れて動かなければなりません。
特にスタイル変化で足場が出たり消えたりするところは要注意。


「回転」は使うとギアナが小さくジャンプしてクルクル横回転しながら落下。
ボタン押しっぱなしで落下速度が遅くなり、空中を長い距離移動できます。
ジャンプ中でも出せるので、2段ジャンプのような使い方もできます。


ダッシュ」は空中を高速で一定距離移動するアクションで、
上下や斜めにも出せるほか、敵に体当たりで攻撃もできます。
地形に当たると跳ね返って方向転換した上に飛距離も伸びるので、
狭い場所では高速で跳ねまわることが可能。
敵がいる方向に出すと若干ホーミングというか、自動で敵に向けて
角度補正してくれたりもします。ただし補正の入る範囲は
どうもそんなに広くないようで過信は禁物。ちゃんと狙って出した方が吉です。


回転もダッシュも、一度出したら着地するまで再使用できない仕様。
ダッシュから着地せずに回転、みたいな使用やその逆も不可。
ただし、踏みつけやダッシュアタックで敵を倒した場合は着地扱いとなり、
連続踏みつけや連続ダッシュで空中を進むことができるようになっています。


また注意として、回転やダッシュの最中でもZL・ZRでもう一方のスタイルに
切り替えることは可能だということ。キュートの回転でゆっくり落下を保ったまま
パンクにチェンジしてトゲを消して突破、みたいな場面が多いです。


他に特徴的だと思ったのは、足場から落ちても空中で一回だけジャンプできること。
これは2段ジャンプとは少し違って、自分でジャンプして空中にいるときは不可で、
足場からはみ出るなどして落ちた時のみ空中ジャンプが許されるという、
つまりはうっかり落下救済の意図が大きいシステムだと思います。
足場を踏み外した直後だけジャンプ入力を受け付けるゲームは多いと聞きますが、
着地前ならいつでもジャンプ可能という思い切った仕様は珍しいのでは。


あとついでに、「右スティックで視界移動ができる」ということも書いておきます。
これ私は最初気が付かず後から知ったんですが、結構活用する場面はあると思いました。


ゲームの進行としては、マリオのようなワールド形式……と言っていいんでしょうか。
一つのワールドに10前後のステージがあり、合計で4ワールド38ステージ。
上述のように他機種のバージョンよりもステージ数が少し増えているそうです。
あと、タイトルメニューの「エクストラ」から行ける
おまけっぽいステージもいくつかあり。


ステージには数多くのジュエルが配置されており、
キュート時は黄色、パンク時は赤のジュエルを取れます。
青いジュエルはどちらでも取れる。マリオにおけるコインのようなものですが、
集めた数がステージクリア時の評価に関わってきます。
巨大なジュエルは取ると10個分になるのに加え、初回取得時に
ギャラリーモードの絵がアンロックされます。各ステージに数個ずつ隠し配置。
取得ジュエル数とミス回数でステージクリア時の評価がなされ、
各ステージである程度の評価を獲得するとワールド最後のボスステージがアンロック。


ライフ制はなく、シールドアイテムを取ると一度だけ敵の攻撃に耐えられます。
シールドがないときに敵に当たったら即死。マリオや魔界村と同様の形式。
残機の概念もなく、通常のモードならチェックポイントから何度でも復帰できます。
チェックポイントの配置は多めの一方、初見ではだいぶ難しい場面が多く、
何度も死んでリトライを繰り返す、いわゆる「死にゲー」の趣が強いです。


基本的な情報は以上。
そんなわけでここ最近プレイしてたわけですが、いやはや大ボリューム。
全38ステージと書きましたが、どのステージも結構広く、
ちゃんとやり込もうとするとかなりの時間を持っていかれます。


モードがいくつかありますが、「ハード」と、それをクリアで解禁される
「ハードコア」を全ステージクリアしました。
スコアアタックやタイムアタックのモードもありますがあんまり手を付けてない。
まあ評価やリトライ周りのルールが違うだけでどのモードも
ステージ内容は同じみたいなので、この辺で満足しておきます。
ギャラリーモードの絵はだいぶ埋まったけど全部は取れてない状況。
あと「スーパーハードコア」はさすがに無理。このモードは
「開発チームすらクリア者ゼロ」ってロード画面でぶっちゃけてて笑いました。
ダメだろ!ちゃんとクリアできるものを作って!


感想としましては、やっぱりちょっと、
こういうワールド形式でステージが多いゲームは、自分向けではないかなとも思ったり。
大ボリュームっぷりといいリトライ前提の死にゲー構造といい、
通しでノーミスクリアみたいなアーケード的プレイに燃える自分とは相性が悪い感。
……いや前述のスーパーハードコアモードは「通しプレイでノーミスクリアしろ!」
っていうモードなので私向けなのかもしれないですが、
さすがに無理があるでしょうよ……せめて残機制にして……。
難易度云々を抜きにしてもすごい時間かかるだろうし……。
プレイ内容も、通常のモードではどうしてもジュエル集めが主体になるので、
広いステージを隅々まで回る探索要素の比重が結構大きく。


ただ、自分向けでないとは書きましたが、あくまで向き不向きの話であり、
ゲームとしては別に悪いゲームではないというのは書いておきたいところ。
アクション部分やツイストのシステムはなかなか良くできていて、
操作性は良いですし、グラフィックも美しく、音楽も良好。


ツイストのシステム、こういう「世界を切り替える」系は2010年代初期あたりから
類似のメカニクスを持つゲームが静かに流行ってた(Outland、砕魂、覆面闘士など)
印象で、おそらくこれもその一つなので斬新さとかはあまり感じませんでしたが、
回転とダッシュに切り替えが紐付けてある辺りがちょっと捻った点、なのかな。
トラップやギミックに対応して的確な切り替え操作をしなければならず、
それを跳んだり走ったりのアクションと同時並行で求められるので、
どこかパズル的というか、通常のアクションゲームとは
別の脳みその部位を使うような楽しさ&厳しさがあるように思います。


プレイしてて気になったのは、視認性の悪さ。
美麗でアーティスティックな背景にトラップや針が紛れて見にくくなることが多々あり、
特に背景が暗めの色調になるキュートスタイル時はそれが顕著。
中に入れる普通の水と入ったら即死の毒水の見分けもつきにくく、
この辺はもう少し、どうにかしていただきたかった感。
携帯モードじゃなくて、TV画面に出力すると多少はマシになる……気もする。


あとは……地形が割とデコボコしてるところが多いので、
ダッシュで壁に当たるとときどき予期せぬ方向に反射して
運が悪いと落ちたり針に突っ込んだりするのがちょっと気になったくらいかな。


それからゲームプレイにはほぼ影響ないですが、一部日本語が怪しかったりも。
オプションで言語を切り替えられますが、英語設定の表示と比べると
日本語はフォントも味気ない感じ。ステージ選択画面でよく見ると、
4-2のステージ名がどうやら一文字表示できてないようで気になりましたね……。


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「中に浮く廃・」


「中に浮く」も正しくは「宙に浮く」でしょうし、
こういうとこはちゃんとしてほしいなと思った次第。
まあ多言語に翻訳するのも大変だったのかもしれませんが……。


ということで総合的には、「粗もあるけど悪くないゲーム」という感想に
私の中では落ち着いた感じですかね……。
以上、ギアナシスターズツイストドリームズについてでした。
ギアナシスターズは日本未発売のDS版も結構良さそうなんですが、
移植とかされないかな……などと。それでは本日はこの辺で。